超音波検査士の合格基準は公開されている?試験・レポート評価で確認したいこと

公開: 更新: 約13分

この記事の要点

第41回超音波検査士認定試験では、症例審査と筆記試験について、それぞれ60%以上が合格基準とされています。

  • 症例審査と筆記試験の両方で基準を満たす必要があります。
  • 筆記試験は「臨床領域」と「医用超音波の基礎」で構成されます。
  • 第41回では、それぞれ35問・解答時間70分です。
  • 症例選択や疾患コードへの振り分け、レポート記載内容も審査範囲に含まれます。
  • 健診領域は10症例、その他の領域は20症例の提出が必要です。
  • 受験年度ごとに実施要項・必要書類を確認することが重要です。

「60%」という数字だけを見るのではなく、症例審査と筆記試験を分けて準備内容を確認しましょう。

「超音波検査士の合格基準は何点?」「筆記試験ができても、症例審査で基準に届かないことはある?」「症例レポートでは何を確認される?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

超音波検査士認定試験では、筆記試験だけでなく、超音波検査実績の書類審査も合否判定に含まれます。

一方で、公式に合格基準は公開されていても、問題ごとの配点や症例審査の細かな採点方法まで公開されているわけではありません。

そのため、「あと何点取ればよいか」だけを考えるより、公式に示されている受験要件・症例提出条件・筆記試験の構成を確認して準備することが大切です。

この記事では、2026年度の第41回超音波検査士認定試験をもとに、公開されている合格基準と症例審査・筆記試験の確認ポイントを解説します。

最初に確認しておきたいこと

第41回超音波検査士認定試験は2026年11月29日に実施予定です。申込期間や書類提出期間はすでに終了しています。

受験資格、必要症例数、申請様式、疾患コードなどは変更される場合があるため、実際に受験する回の日本超音波医学会公式情報を必ず確認してください。

超音波検査士の合格基準は「症例審査・筆記試験の各60%以上」

第41回超音波検査士認定試験では、合否判定について、症例審査と筆記試験のそれぞれ60%以上を合格とすることが示されています。

つまり、筆記試験だけで基準を満たせばよいわけではありません。

症例審査と筆記試験を、それぞれ分けて準備する必要があります。

試験は「症例審査」と「筆記試験」で構成されます

第41回試験の受験様式は、次の2つです。

  • 書類審査:超音波検査実績
  • マークシート方式の筆記試験

筆記試験は、

  • 臨床領域:35問・70分
  • 医用超音波の基礎:35問・70分

で構成されています。

解答形式は、5つの選択肢から1つを選ぶAタイプと、該当する2つを選ぶX2タイプです。

第41回の最新情報は、日本超音波医学会「第41回超音波検査士認定試験実施について」で確認できます。

「60%」を単純な正答数だけで考えない

第41回試験では「症例審査、筆記試験において各々60%以上」という合否基準が公開されています。

一方で、臨床領域と医用超音波の基礎それぞれについて、何問正解すれば合格になるのかという個別の基準や、問題ごとの配点までは実施要項に示されていません。

そのため、「35問だから21問取ればよい」と単純に決めつけるのではなく、公式に公開されている試験範囲をもとに準備しましょう。

医用超音波の基礎も試験範囲です

日常業務でエコーを行っていても、超音波の物理や装置の仕組みを言葉で説明しようとすると迷うことがあります。

たとえば、

  • 周波数と分解能・深達度
  • 反射・屈折・減衰・散乱
  • アーチファクト
  • パルスドプラ法と連続波ドプラ法
  • PRF・ナイキスト限界・エイリアシング
  • ゲイン・フォーカス・ダイナミックレンジ

など、実際の画像や装置操作と結びつけながら確認しておくと理解を整理しやすくなります。

合格率と合格基準は別の数字です

合格基準は合否判定の条件、合格率は実際に受験した人のうち合格した人の割合です。

過去の合格率だけを見て、「この領域なら簡単」「今年は受かりやすい」と判断することはできません。

合格率について詳しく確認したい方は、超音波検査士の合格率について解説した記事も参考にしてください。

合格基準を確認するときのポイント

  • 症例審査と筆記試験は、それぞれ基準を満たす必要がある
  • 第41回の合格基準は各60%以上
  • 筆記は臨床領域と医用超音波の基礎で構成される
  • 個別問題の配点など、公開されていない内容を推測しすぎない
  • 受験する年度の最新情報を確認する

症例レポートも合否に関わる「超音波検査実績」の審査資料です

一般に「症例レポート」と呼ばれる書類は、超音波検査実績として書類審査を受けます。

単に必要症例数をそろえて提出すればよいというものではありません。

受験者本人が行った超音波検査の実績を示し、受験領域に応じた条件を満たして提出する必要があります。

健診領域は10症例、その他は20症例

第41回では、超音波検査実績として提出する症例数は、

  • 健診領域:10症例
  • 健診以外の領域:20症例

です。

必要症例数だけでなく、受験領域ごとに指定される疾患コードや必要症例数の条件も確認します。

症例選択や疾患コードへの振り分けも審査範囲です

日本超音波医学会では、どの症例を選ぶのか、個々の症例をどの疾患コードへ振り分けるのかという判断自体も審査範囲としています。

また、個々の症例についてレポートへ何を記載するかという判断も審査範囲です。

そのため、学会事務局に疾患コードの正解を確認してから作成するという性質の書類ではありません。

まず、その年度の「超音波検査実績作成の手引き」と領域別の注意事項を確認します。

提出画像は受験者本人が検査中に撮影したものを使います

第41回では、受験者本人の検査実績を証明するため、提出する超音波画像は受験者本人が検査中に撮影した画像に限られます。

また、同一施設の複数受験者が同じ症例を提出することは認められていません。

症例を集める段階から、この条件を確認しておく必要があります。

症例レポートでは、観察した事実を具体的に書く

症例レポートでは、病名をそのまま超音波所見として書くのではなく、実際に観察した所見を記載します。

たとえば健診領域の注意事項でも、単に「胆嚢結石」「肝嚢胞」と病名を書くのではなく、エコーレベル、音響陰影、後方エコーなど、画像から確認できる所見を記載する例が示されています。

受験領域ごとの作成方法は異なるため、提出する年度・領域の作成手引きを確認してください。

署名・担当医名・個人情報も確認する

第41回では、様式3の2について、提出する全症例に超音波専門医または条件を満たす超音波指導検査士の署名が必要です。

必要な署名が抜けている場合や、「超音波診断医名(担当医)」が抜けている場合は、書類審査の減点対象になることが示されています。

また、提出画像には患者氏名、ID、生年月日を残さないよう注意が必要です。

過去に使用した症例でも、そのまま再提出はできません

過去の試験で使用した症例と同じ症例を使うこと自体は可能です。

ただし、受験する回の様式へ書き直し、改めて必要な署名を得る必要があります。

さらに、過去の審査で基準を満たしていた症例でも、新しい受験回では改めて審査されます。

以前の書類をそのまま使うのではなく、受験する回の要項に沿って確認してください。

提出前に確認したいこと

  • 受験する回の最新様式を使っているか
  • 必要症例数と疾患コードの条件を満たしているか
  • 受験者本人が検査・撮影した症例か
  • 必要な署名がすべて入っているか
  • 超音波診断医名・担当医名が記載されているか
  • 患者氏名・ID・生年月日が画像に残っていないか
  • 領域別の作成手引きに沿っているか

受験準備は「受験資格・症例・筆記」を分けて確認する

合格基準を確認したら、次は自分がどの準備段階にいるのかを分けます。

最初に受験資格を確認する

第41回では、日本の看護師・准看護師・臨床検査技師・診療放射線技師のいずれかの免許を持つことなどが受験資格として定められています。

さらに、所定の会員歴と、超音波専門医または条件を満たす超音波指導検査士からの推薦が必要です。

第41回の場合は、2023年9月1日以前に入会し、3年以上継続して所定の会員であることが条件です。

受験領域は、

  • 体表臓器
  • 循環器
  • 消化器
  • 泌尿器
  • 産婦人科
  • 健診
  • 血管

の7領域で、同一年度に受験できるのは1領域です。

受験資格の詳細は、超音波検査士の受験資格・必要な経験について解説した記事も参考にしてください。

症例は提出直前ではなく、早めに条件を確認する

症例審査では、単に必要な件数をそろえるだけではなく、領域別に必要な疾患コードや症例の条件があります。

そのため、受験を考え始めた段階で、

  • 必要症例数
  • 疾患コードの内訳
  • 本人が検査・撮影した症例か
  • 使用できる画像が残っているか
  • 必要な署名を依頼できるか

を確認しておくと、提出前に不足へ気づくリスクを減らせます。

筆記試験は「医用超音波の基礎」と「臨床領域」を分ける

筆記試験では、医用超音波の基礎と、自分が受験する臨床領域の両方を準備します。

学習するときは、

  • 医用超音波の基礎:物理、装置、アーチファクト、ドプラなど
  • 臨床領域:解剖、生理、病態、疾患、画像所見など

に分けると、どちらに不足があるのか確認しやすくなります。

画像問題も、疾患名だけを暗記するのではなく、どの断面なのか、何が見えているのか、どの所見を確認しているのかを整理しておきましょう。

資格試験の準備と、エコー実技の練習は役割を分ける

超音波検査士認定試験は、症例審査と筆記試験によって行われます。

一方、普段の検査で、

  • 基本断面で迷う
  • プローブをどちらへ動かせばよいか分からない
  • 計測位置で迷う
  • 深度・ゲイン・フォーカスの調整を確認したい

といった実技上の課題がある場合は、試験勉強とは別に実際の操作を確認する必要があります。

資格試験の準備と実技練習は、同じものではありません。

試験の受験資格、症例コード、レポート記載内容、合否に関する判断は、日本超音波医学会の最新情報を確認してください。

SASHIでは、超音波検査の実技課題を確認できます

SASHI合同会社では、医療従事者向けのマンツーマン超音波検査実技レッスンを行っています。

SASHIで行うのは、超音波検査士認定試験の受験資格判定、疾患コードの選択、症例レポートの審査・添削、筆記試験の合格指導ではありません。

一方で、

  • 基本断面を確認したい
  • プローブ位置・角度・回転・圧を練習したい
  • 計測で迷う部分を確認したい
  • 装置設定と画像変化を確認したい
  • 職場で繰り返し迷う操作を練習したい

といった実技課題について、現在の経験に合わせて確認できます。

実技について確認したい方は、マンツーマンの超音波検査個人レッスンをご覧ください。

超音波検査士の合格基準についてよくある質問

超音波検査士は筆記試験で60%取れば合格ですか?

筆記試験だけではなく、症例審査についても60%以上を満たす必要があります。

第41回認定試験では、症例審査と筆記試験のそれぞれ60%以上が合格基準です。

筆記試験は何問ありますか?

第41回では、「臨床領域」「医用超音波の基礎」がそれぞれ35問です。

解答時間は、それぞれ70分とされています。

症例レポートの疾患コードを学会に確認できますか?

どの症例を選び、どの疾患コードへ振り分けるかという判断も審査範囲です。

受験する領域の作成手引きや注意事項を確認し、自分で判断して作成することが求められています。

症例レポートは何症例必要ですか?

第41回では、健診領域が10症例、その他の領域が20症例です。

件数だけでなく、領域ごとに指定された疾患コードや必要症例数を確認してください。

SASHIで症例レポートや受験資格の相談はできますか?

SASHIでは、受験資格の判定、疾患コードの選択、症例レポートの審査・添削は行っていません。

認定試験に関する条件は日本超音波医学会の公式情報をご確認ください。SASHIでは、プローブ操作、基本断面、計測、装置設定など、超音波検査の実技について相談できます。

まとめ|合格基準と、準備する内容を分けて確認する

この記事の要点整理

  • 第41回超音波検査士認定試験では、症例審査と筆記試験の各60%以上が合格基準
  • 筆記試験は「臨床領域」「医用超音波の基礎」が各35問・各70分
  • 健診領域の提出症例は10症例、その他は20症例
  • 症例選択や疾患コードへの振り分け、記載内容も審査範囲
  • 提出画像は受験者本人が検査中に撮影したものを使用する
  • 必要な署名、担当医名、個人情報削除を確認する
  • 過去に使用した症例でも、受験回の様式へ書き直し、改めて署名を得る
  • 受験条件や症例審査は、受験する年度の公式情報を確認する
  • 資格試験対策と、日常のエコー実技練習は分けて考える

「60%以上」という合格基準は明確ですが、その数字だけで受験準備のすべてが決まるわけではありません。

まずは、受験資格、症例審査、筆記試験のそれぞれについて、自分がどの段階にいるのか確認してみましょう。




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