超音波検査の外注費が重く感じ始めたときに、見直したいポイント

公開: 更新: 約10分

「エコーを外注しているけれど、このまま続けるべきだろうか」

「院内で担当できるスタッフを増やしたい。でも、誰が教えるのかまで考えると進まない」

病院やクリニック、健診施設では、エコーの検査体制を見直す中で、こうした課題が出てくることがあります。

ここで最初に決めたいのは、外注をやめるかどうかではありません。

「施設として、どの検査を、誰が、どこまで院内で担当したいのか」です。

外注を残した方が運用しやすい検査もあれば、院内スタッフが担当できるよう準備したい領域もあるでしょう。

この記事では、エコーの外注・採用・院内育成を検討する医療機関が、研修を始める前に整理しておきたいポイントを紹介します。

「外注か院内化か」ではなく、まず検査体制を分解する

エコーを外注していると、「院内でできる人を育てた方がよいのでは」と考えることがあります。

ただし、すべての検査を一度に院内へ移す必要はありません。

まず、現在のエコー業務を分けてみます。

  • どの領域を外部へ依頼しているのか
  • どのくらいの頻度・件数があるのか
  • 曜日や時間帯が限定されているのか
  • 院内で対応できる領域はあるのか
  • 院内に経験者がいる領域はどこか
  • 今後院内で担当したい領域はどこか

すると、

「腹部は院内で育成したいが、別領域は当面外注を続ける」

「健診業務は院内で対応したいが、すべてを内製化する予定はない」

といった形で整理できることがあります。

外注をゼロにすることを目標にするのではなく、院内で持ちたい機能を先に決めることが重要です。

院内化したい検査が決まったら、「誰を育てるか」の前に業務を決める

院内育成を考えると、最初に「誰にエコーを覚えてもらうか」を決めたくなります。

ですが、その前に決めたいのが、育成後に担当してもらいたい業務です。

たとえば、

  • 腹部エコーのどの業務を担当するのか
  • 健診での検査を想定しているのか
  • 他の生理機能検査と兼務するのか
  • どの時間帯にエコーを担当するのか
  • 一人で担当する段階まで院内で育成するのか

などです。

ここが曖昧なまま「エコーをできる人を増やしたい」と始めると、研修内容も評価方法も広くなりすぎます。

人を決める前に、「その人に将来どの仕事を担ってもらいたいのか」を決めておく。

これだけでも、必要な教育を考えやすくなります。

採用時の「エコー経験あり」は、そのまま院内の戦力を意味しない

経験者を採用する場合も、「腹部エコー経験あり」だけでは実際の経験内容までは分かりません。

同じ経験者でも、

  • 健診を中心に担当してきた
  • 病院で検査を担当してきた
  • 指導を受けながら経験していた
  • 以前は担当していたが現在はブランクがある
  • 特定の領域のみ経験している

など違いがあります。

そのため、採用後すぐに自施設のエコー業務を任せられるとは限りません。

経験者を採用した場合でも、

  • これまでの担当領域
  • 検査対象
  • 担当していた件数
  • どこまで一人で対応していたか
  • 現在の実技
  • 自施設の検査方法との違い

を確認したうえで、必要な引き継ぎや教育を考える必要があります。

院内教育が止まりやすいのは「教える人がいない」だけではない

院内育成が進まない理由として、「指導者がいない」という声があります。

ただ、実際には指導できる人がいても教育が進まないことがあります。

たとえば、

  • 検査業務が優先され、練習時間が取れない
  • 指導者によって教える内容が違う
  • 見学中心で、本人が操作する時間が少ない
  • 何をできれば次の段階へ進めるのか決まっていない
  • 通常業務の中で同じ操作を繰り返すことが難しい

といったケースです。

つまり院内教育では、「指導者がいるか」だけでなく、「練習する仕組みがあるか」を見る必要があります。

研修を始める前に「次の段階」を決めておく

一度研修を受けただけで、エコー業務を一人で担当できるようになるとは限りません。

そのため、研修前から「受講後どうするか」を決めておくことが重要です。

たとえば、

  1. 装置とプローブの基本操作を確認する
  2. 基本断面を練習する
  3. 同じ断面を再現できるか確認する
  4. 院内で練習を続ける
  5. 指導者と現在の課題を再確認する
  6. 必要に応じて次の研修内容を決める

というように段階をつくります。

「研修を受けたかどうか」ではなく、「研修後に何を練習するか」まで設計して初めて、院内教育につながります。

外部研修に任せるのは「院内でしか教えられないこと」以外

外部研修を導入するときに重要なのは、教育を丸ごと外へ出そうとしないことです。

院内でしか確認できない内容があります。

院内で確認する内容

  • 施設独自の検査手順
  • 保存する画像
  • 院内で使用している計測項目
  • 報告方法
  • 電子カルテ・検査システム
  • 医師や他スタッフへの確認方法
  • 最終的に業務を任せる判断

外部研修で補いやすい内容

  • プローブの持ち方
  • 位置・角度・回転・圧
  • 基本断面
  • 基本的な計測
  • 装置設定
  • 呼吸や体位変換
  • 苦手な操作の反復

たとえば院内の指導者には、施設ルールや実際の検査業務に沿った教育へ時間を使ってもらい、基本操作の反復を外部研修で補うという分担も考えられます。

院内と外部で同じことを教えるのではなく、それぞれが担う教育を分けることがポイントです。

外注費だけでは「院内育成すべきか」は決められない

エコーを外注している場合、費用をきっかけに院内化を検討することもあるでしょう。

ただし、外注費と研修費だけを比較しても、院内化の判断はできません。

院内で担当する場合には、

  • 担当スタッフを確保できるか
  • 教育時間を取れるか
  • 継続して練習できる件数があるか
  • 指導・確認体制をどうするか
  • 休職・退職時の代替体制をどうするか
  • 複数人で担当できる体制を目指すのか

といった運用面も考える必要があります。

そのため、「外注より院内化の方が安いか」ではなく、「院内で継続して運用できる体制をつくれるか」まで含めて考えることが大切です。

一人だけ育てる場合は、その人が休んだときまで考える

院内育成を始めるとき、一人のスタッフに集中的に学んでもらうことがあります。

立ち上げの方法としては選択肢になりますが、その人だけが担当できる状態になると、別の課題が生まれます。

たとえば、

  • 休暇時に検査できる人がいない
  • 退職・異動した場合に体制が戻ってしまう
  • そのスタッフに検査が集中する
  • 次のスタッフを教える役割まで一人に集中する

といった状況です。

すぐに複数人を育成する必要はありませんが、将来的にどのような担当体制にしたいのかは、育成開始時から考えておくとよいでしょう。

「経験者を採用するか、今いるスタッフを育てるか」は条件で変わる

採用と育成は、どちらかが常に優れているわけではありません。

たとえば、すぐに一定の業務を担当できる人が必要なら、経験者採用を検討する理由があります。

一方で、現在のスタッフに学ぶ意向があり、院内で継続して練習できる環境があるなら、育成を検討することもできます。

さらに、

  • 一部は外注する
  • 経験者採用も続ける
  • 既存スタッフを育成する
  • 基本実技だけ外部研修で補う

という組み合わせもあります。

「採るか育てるか」の二択ではなく、施設が必要とする検査体制から逆算して組み合わせます。

法人研修を相談するときは、受講人数より先に伝えたいことがある

外部研修を相談するとき、「3名受講したい」「腹部エコーを教えてほしい」といった情報だけでは、必要な研修内容を決めにくいことがあります。

先に整理しておきたいのは、

  • 現在どのようなエコー体制になっているか
  • なぜ院内育成を考えているのか
  • 受講者はどこまで経験しているか
  • 将来どの業務を担当してほしいか
  • 院内ではどこまで教育できるか
  • 現在どの操作で困っているか

という情報です。

これらが分かると、研修で扱う内容と、研修後に院内で確認する内容を分けやすくなります。

SASHIでは、院内エコー教育の「実技部分」を支援します

SASHI合同会社では、病院・クリニック・健診施設などを対象に、法人向けの超音波実技研修を行っています。

研修前に、受講者の経験、現在困っていること、施設で必要な領域などを確認し、内容を組み立てます。

研修では必要に応じて、

  • プローブの位置・角度・回転・圧
  • 基本断面
  • 基本的な計測
  • 装置設定
  • 呼吸や体位変換
  • 現在迷っている操作

などを、実際にプローブを持ちながら確認します。

そして、研修で完結させるのではなく、受講後に院内で次に何を練習するかを整理します。

SASHIが担うのは、院内教育そのものを置き換えることではなく、院内だけでは確保しにくい実技練習を補うことです。

まとめ|院内育成は「研修を入れるか」より「どんな検査体制にしたいか」から考える

エコーを外注している施設が、必ず院内化を目指す必要はありません。

反対に、院内で担当したい検査があるのであれば、採用だけでなく現在いるスタッフへの教育を検討する方法もあります。

そのときは、

  • どの検査を院内で担当したいのか
  • 誰に何を担当してもらいたいのか
  • 院内でどこまで教育できるのか
  • 外部研修で何を補うのか
  • 研修後にどのように練習を続けるのか
  • 将来的に何人で担当する体制を目指すのか

まで整理してみましょう。

外注を減らすことや研修を導入すること自体を目的にせず、施設として続けられる検査体制から教育を考える。

その中で実技教育が不足している場合に、外部研修を組み合わせる方法があります。

院内のエコー教育について検討している医療機関へ

「誰に、どこまで学んでもらうか整理できていない」

「指導できるスタッフはいるが、実技練習まで手が回らない」

「院内教育と外部研修をどう分ければいいか相談したい」

SASHIでは、受講者の現在地と施設で必要な内容を確認しながら、法人向けのエコー実技研修を組み立てます。



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