エコーの勉強を始めたものの、「何を見ているのか分からない」「とりあえずプローブを動かしているだけになっている」と感じることはありませんか。
「形は出たけれど、これで合っているのか分からない」
「同じ断面をもう一度出そうとすると迷ってしまう」
「参考書では分かるのに、実際に操作するとつながらない」
エコーを学び始めた頃は、こうしたところでつまずくことがあります。
超音波検査は、画像だけ覚えればよいものでも、プローブ操作だけを繰り返せばよいものでもありません。
「何を描出したいのか」「どこにプローブを置くのか」「見えなければ何を変えるのか」を少しずつ結びつけていくことが大切です。
この記事では、エコー初心者が実技を学ぶときに意識したい3つのステップを紹介します。
ステップ1|まず「出したい基本断面」を知る
エコーを始めたばかりの頃は、画面に映るものすべてを理解しようとすると混乱しやすくなります。
まずは、その領域で確認したい基本断面を知るところから始めてみましょう。
たとえば腹部エコーなら、
- どの臓器を観察するのか
- 基本的にはどの断面を描出するのか
- その断面では何が見えるのか
- プローブをどのあたりに置くのか
を確認します。
最初からすべての解剖や走査方法を一度に覚える必要はありません。
一方で、「この画像を出せばいい」と形だけを丸暗記すると、患者さんが変わったときに迷うことがあります。
そのため、
「この断面では何を見ているのか」
「臓器は体のどこにあるのか」
「今のプローブ位置と画像がどうつながっているのか」
を、実技と一緒に少しずつ確認していきましょう。
基本断面を目標にしながら、解剖と実際の画像を結びつけていくことが最初のステップです。
ステップ2|プローブ操作を「なんとなく」で終わらせない
エコーを練習していると、偶然きれいな画像が出ることがあります。
ただ、「なぜ見えたのか」が分からないままだと、次に同じ断面を出そうとしたときに再現できないことがあります。
そこで意識したいのが、プローブ操作を細かく分けることです。
- どこに置いたか
- どちらへ傾けたか
- どちらへ回転させたか
- どの程度圧をかけたか
- どちらへスライドしたか
- 呼吸や体位をどう使ったか
たとえば、「肝臓が見えた」だけで終わらせず、
「右季肋部にプローブを置いた」
「少し頭側へ傾けた」
「深吸気で臓器が下がってきた」
というように、自分が行った操作を振り返ります。
操作を言葉にできると、うまくいかなかったときにも「次に何を変えるか」を考えやすくなります。
エコーは感覚だけに頼らず、手の動きと画像の変化を結びつけて確認していくことが大切です。
ステップ3|「見えない」を細かく分けて練習する
エコーの練習でよくあるのが、
「胆嚢が見えない」「膵臓が苦手」「心尖部四腔像が出せない」
と、大きなくくりで苦手を捉えてしまうことです。
ですが、同じ「見えない」でも原因は一つとは限りません。
たとえば胆嚢なら、
- 最初にプローブを置く位置がずれている
- 角度が合っていない
- プローブの向きが分からなくなっている
- 呼吸をうまく使えていない
- 体位を変えていない
- ゲインや深度などの設定を確認した方がよい
など、いくつかの可能性があります。
「胆嚢ができない」と考えるより、
「最初の位置で迷っている」
「長軸までは出るけれど短軸で分からなくなる」
「画像が出ても、もう一度同じ断面を出せない」
というように具体的にすると、練習する内容も決めやすくなります。
苦手な臓器そのものではなく、どの操作・どの段階で止まっているのかを見ることがポイントです。
練習するときは「今日は何を確認するか」を決める
エコーは、長時間プローブを持てばよいというものではありません。
練習前にテーマを一つ決めておくと、終わった後に振り返りやすくなります。
たとえば、
- 今日は肝臓の基本断面を確認する
- 今日は胆嚢のプローブ位置と角度を確認する
- 今日は膵臓を探すときの目印を確認する
- 今日は心尖部四腔像のプローブ位置を確認する
といった形です。
そして練習後に、
- どこまでできたか
- どこで迷ったか
- 何を変えたら見えたか
- 次回は何を確認するか
を整理します。
「今日もエコーを練習した」で終わらず、一つ課題を持ち帰ることが次の練習につながります。
自分だけでは分からない操作は、見てもらう方法もある
一人で練習していると、自分のプローブ操作の癖には気づきにくいものです。
たとえば、
- 必要以上に大きくプローブを動かしている
- 角度を変えたいのにスライドしている
- 圧をかけすぎている
- 同じ方向からばかり探している
といったことがあります。
職場で相談できる場合は、先輩や指導者に実際の操作を見てもらう方法があります。
その際も、「全部教えてください」ではなく、
「この断面でいつも止まります」
「ここからどちらへ動かせばよいか分かりません」
というように、自分の課題を具体的にすると確認しやすくなります。
「上達が早い人」を基準にしなくていい
エコーを学んでいると、周りの人が自分より早く描出できるように見えることがあります。
でも、実技の進み方は、
- これまでの経験
- 学んでいる領域
- プローブを持てる頻度
- 職場の教育環境
- 患者さんを実際に検査する経験
などによって違います。
指導された方法を一度試してみることは大切ですが、言われた通りに操作すれば誰でも同じように進むわけでもありません。
他の人の習得スピードより、「自分は前回より何を理解できたか」「次に何を練習するか」を見ていきましょう。
エコーは「できた」で終わらず、次の段階へ進んでいく
一度目的の断面を描出できると、「できるようになった」と感じることがあります。
ただ、エコーにはいくつもの段階があります。
- 基本断面を描出する
- 同じ断面を再現する
- 必要な計測を行う
- 患者さんによる見え方の違いに対応する
- 必要な画像を残す
- 追加で確認するポイントを考える
そのため、最初からすべてをできるようにしようとする必要はありません。
まず基本操作を確認し、次に基本断面、その先に計測や患者さんごとの違いへの対応というように、一つずつ進んでいきます。
SASHIでは、今つまずいている操作から確認できます
SASHI合同会社では、医療従事者向けにマンツーマンの超音波検査実技レッスンを行っています。
初心者だから最初から同じカリキュラムを進める、という形ではありません。
まず、
- どの領域を学びたいのか
- 今どのくらい経験しているのか
- どの臓器や断面で迷っているのか
- どの操作を確認したいのか
を確認します。
そのうえで、プローブの位置・角度・回転・圧、動かす方向、基本断面、計測、呼吸、体位変換、装置設定など、必要な部分を実際にプローブを持って練習します。
マンツーマンの良さは、短期間で覚えることだけではありません。
同じ質問をもう一度したり、同じ操作を何度繰り返したりしても構いません。
「こんな基本的なことを聞いていいのかな」と気にせず、自分のつまずきで止まって確認できることも、マンツーマン実技の特徴です。
まとめ|エコーは「正解を丸暗記する」より、操作と画像をつなげていこう
エコーを始めたばかりの頃は、何が正解なのか分からず、迷うことがあります。
そんなときは、
- まず基本断面と観察する目的を知る
- プローブ操作と画像の変化を結びつける
- 苦手な部分を細かく分けて練習する
という順番で整理してみてください。
そして、うまくいかなかったときは、
「自分にはセンスがない」ではなく、
「どこを変えれば画像が変わるのか」
を一つずつ確認していきましょう。
「やってみたい」を最初の一歩に、「うまくできない」を次の一歩に。
今の自分から、必要な操作を少しずつ練習していけば大丈夫です。
超音波検査の学び方を相談したい方へ
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