超音波検査を外部へ依頼している医療機関では、「院内で対応できるようにした方がよいのだろうか」と考えることもあるのではないでしょうか。
ただし、外注を院内実施へ切り替えれば、必ずコストが下がるわけではありません。
検査件数、人件費、機器導入費、教育に必要な時間、担当者の経験などによって、適した体制は変わります。
この記事では、エコー検査の外注費を見直したい医療機関に向けて、内製化を検討するときに確認したいポイントを解説します。
「毎月エコーを外部に依頼しているけれど、このままでいいのだろうか」
「院内スタッフが検査できるようになれば、運用を変えられるのではないか」
そんな疑問を持つこともあるかもしれません。
外注には、院内に専門スタッフや機器がない場合でも必要な検査を実施できるというメリットがあります。
一方で、検査件数や院内体制によっては、内製化について検討する余地がある場合もあります。
大切なのは、「外注=高い」「内製化=得」と単純に考えず、自施設の状況を数字と運用の両面から確認することです。
まずは「なぜ外注しているのか」を整理する
エコー検査を外注している理由は、施設によって異なります。
たとえば、
- 院内にエコーを担当できるスタッフがいない
- 検査件数が少なく、専任者を置く必要性が低い
- 機器を導入していない
- 現在のスタッフに教育する時間を確保しにくい
- 特定領域だけ外部へ依頼している
- 外注した方が現在の診療体制に合っている
など、さまざまな理由があります。
そのため、外注費だけを見て判断するのではなく、まず現在の運用を整理してみましょう。
外注費を見直すなら、年間の検査件数を確認する
内製化を検討するときは、現在どの程度の検査を外部へ依頼しているのかを確認することが大切です。
たとえば、
- 月に何件エコーを外注しているか
- 年間でどの程度の費用がかかっているか
- どの領域の検査を依頼しているか
- 検査件数に季節変動があるか
- 今後件数が増える見込みがあるか
などを確認します。
検査件数が少ない場合は、外注を継続した方が運用しやすいこともあります。
一方で、一定数の検査が継続的に発生している場合には、院内で実施する体制について検討することもできます。
エコーを院内で行う場合に必要なもの
エコー検査を内製化する場合、担当できるスタッフを育成するだけで完了するわけではありません。
実際には、
- 超音波診断装置
- 検査を行うスペース
- 検査を担当するスタッフ
- 教育・練習時間
- 検査手順や院内ルール
- 画像保存や記録の方法
- 医師への報告や確認体制
などについても考える必要があります。
すでに装置があり、検査を学びたいスタッフがいる施設と、機器導入から始める施設では、必要な準備も大きく異なります。
人材育成だけで「内製化できる」とは限らない
エコー検査を院内で実施したい場合、担当者の実技教育は重要な要素の一つです。
ただし、研修を受けたからといって、すぐに一人で検査を担当できるとは限りません。
超音波検査では、
- 解剖や正常像の理解
- プローブ操作
- 基本断面の描出
- 装置設定
- さまざまな患者さんへの対応
- 画像の確認と振り返り
などを継続的に学ぶ必要があります。
担当者の経験や練習環境によって、必要な教育期間も異なります。
そのため、「研修を受ければ内製化できる」という前提ではなく、現在のスキルと目標を確認しながら段階的に考えることが大切です。
内製化を検討するときは、人件費や教育コストも含めて考える
外注費だけを見ると、院内で検査を行った方が安く感じることがあります。
しかし、内製化する場合には、別のコストも発生します。
たとえば、
- 超音波診断装置の導入・維持費
- スタッフの人件費
- 研修費用
- 勤務時間内に確保する練習時間
- 検査室などの設備
- 装置の保守や消耗品
などです。
こうした費用も含めて比較しなければ、実際に外注費の削減につながるかは判断できません。
「人材育成は必ず投資効果がある」と考えるのではなく、自施設の検査件数や運用に合っているかを確認しましょう。
外注と内製化を併用する方法もあります
エコー検査は、「すべて外注する」「すべて院内で行う」の二択ではありません。
施設によっては、検査内容に応じて使い分ける方法も考えられます。
たとえば、
- 基本的な検査は院内で実施する
- 専門性の高い領域は外部へ依頼する
- 院内スタッフの習熟度に応じて段階的に対応範囲を広げる
- 検査件数の多い領域だけ院内化する
などです。
現在の外注体制をすべて変えるのではなく、どこまで院内で対応するのが現実的なのかを検討する方法もあります。
内製化の目的を「コスト削減だけ」にしない
外注費をきっかけに内製化を検討する場合でも、費用だけで判断しないことが大切です。
たとえば、
- 院内で必要な検査を実施できる体制をつくりたい
- スタッフの教育体制を整えたい
- 検査の運用方法を見直したい
- 診療内容に合った検査体制をつくりたい
といった目的も考えられます。
ただし、院内化したことで診療の質や患者満足度が必ず上がるわけではありません。
どのような体制が患者さんと施設双方にとって適切なのかを考えながら検討しましょう。
エコー内製化を考えるときの5つの確認項目
実際に検討を始める場合は、次のような順番で整理すると考えやすくなります。
1.現在の外注件数と費用を確認する
まずは年間の検査件数と外注費を把握します。
2.院内で対応したい領域を決める
腹部、心臓、頸動脈など、どの領域を院内で行いたいのかを整理します。
3.現在のスタッフの経験を確認する
エコー経験者がいるのか、未経験から教育する必要があるのかによって、必要な準備は変わります。
4.教育や練習に使える時間を確認する
勤務時間内で教育時間を確保できるか、指導者がいるか、外部研修を活用するかなどを検討します。
5.外注費と内製化費用を比較する
人件費、設備費、研修費、保守費なども含めて考えます。
SASHIでは、医療機関向けのエコー実技研修にも対応しています
「院内でエコーを担当できるスタッフを育てたい」
「スタッフに実技を学ぶ機会をつくりたい」
「職場だけでは十分に練習時間を確保できない」
そのような場合には、外部研修を活用する方法もあります。
SASHI合同会社では、医療機関向けに超音波検査の実技研修を行っています。
受講者の現在の経験や、施設で必要としている領域を確認しながら、実技内容を調整します。
腹部、心臓、頸動脈、乳腺、甲状腺など、施設の課題に合わせて相談できます。
ただし、SASHIの研修を受講することで、外注費が必ず削減できることや、スタッフが短期間で一人で検査を担当できるようになることを保証するものではありません。
院内での教育を進める際に、現在の実技課題を確認し、その後の練習につなげる学習機会として活用できます。
まとめ|外注費削減ではなく「自施設に合う検査体制」を考える
エコー検査の外注費を見直したい場合、内製化は検討できる選択肢の一つです。
ただし、院内で検査を行えば必ずコストが下がるとは限りません。
まずは、
- 現在どの程度エコーを外注しているのか
- 年間でどの程度の費用がかかっているのか
- 院内でどの領域を実施したいのか
- 担当できるスタッフがいるのか
- 教育や練習時間を確保できるのか
- 機器導入や人件費を含めて費用が見合うのか
を整理してみましょう。
「外注をなくすこと」を目的にするのではなく、患者さんに必要な検査を、自施設に合った方法で提供できる体制を考える。
その中で、院内スタッフのエコー教育が必要であれば、研修を活用する方法があります。
院内でエコーを担当するスタッフの実技教育を検討している医療機関へ
SASHI合同会社では、病院・クリニックなど医療機関向けの超音波検査実技研修を行っています。
現在の経験や施設で必要な領域を確認しながら、プローブ操作、正常像、基本断面など、必要な実技を整理していきます。
「院内での教育方法に悩んでいる」「エコー担当者の実技を確認したい」といった場合もご相談いただけます。
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