「超音波検査を院内で始めたいけれど、人員や教育体制を考えると難しい」と感じる医療機関もあるのではないでしょうか。
超音波検査を新たに導入する場合には、装置を用意するだけでなく、誰が担当するのか、どのように教育するのか、検査後の記録や報告をどう行うのかまで考える必要があります。
そのため、導入を検討するときは、費用・人員・教育・運用を分けて整理することが大切です。
この記事では、超音波検査の院内導入を検討する医療機関に向けて、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
超音波検査を導入するときに確認したいこと
超音波検査を院内で行う場合、検討事項は一つではありません。
たとえば、
- どの領域のエコーを実施したいのか
- どの程度の検査件数を想定しているのか
- 誰が検査を担当するのか
- 使用する超音波診断装置をどうするのか
- 実技教育をどのように行うのか
- 検査手順や院内ルールをどう整えるのか
- 画像保存・記録・報告をどう行うのか
などがあります。
「装置を購入すれば始められる」「スタッフが研修を受ければ対応できる」と一つの要素だけで考えず、院内全体の運用として整理しましょう。
まずは「なぜ超音波検査を導入したいのか」を整理する
導入方法を考える前に、目的を明確にしておくことが大切です。
たとえば、
- 現在外部へ依頼している検査について院内実施を検討している
- 診療内容に合わせて新たな検査を始めたい
- すでに装置はあるが、担当できるスタッフが限られている
- 特定領域の検査体制を見直したい
など、施設によって目的は異なります。
目的が違えば、必要な装置、人員、教育内容も変わります。
装置は「価格」だけで決めない
超音波診断装置には、さまざまな機種があります。
導入時には、購入だけでなく、リースや中古機器などを検討する場合もあります。
ただし、「初期費用が低い」という理由だけで決めるのではなく、
- 実施したい検査領域に対応しているか
- 必要なプローブが使用できるか
- 画像保存や院内システムとの連携が可能か
- 保守や修理体制はどうなっているか
- スタッフが操作しやすいか
なども確認しましょう。
施設で必要な検査内容を整理したうえで、必要な機能を検討することが大切です。
「人がいない」場合は、採用と教育を分けて考える
超音波検査を始めたいと考えたとき、「担当できるスタッフがいない」という課題が出ることがあります。
その場合には、
- 経験者を採用する
- 現在のスタッフに新たに学んでもらう
- 外部へ検査を依頼する
- 一部だけ院内で実施する
など、複数の方法があります。
既存スタッフを教育する方法もありますが、研修を受ければ必ず人員体制の問題が解決するわけではありません。
教育には時間が必要であり、受講後に院内でどのように練習を続けるのかも考える必要があります。
実技教育は、研修だけで完結させない
超音波検査は、知識だけではなく実際のプローブ操作を伴います。
初めて学ぶ場合には、
- 解剖と正常像
- プローブの持ち方
- 基本的な操作
- 基本断面の描出
- 装置設定
- 画像の振り返り
などを確認していきます。
ただし、短期間の研修を受けただけで、一人で検査を担当できる状態になるとは限りません。
外部研修を利用する場合も、その後の院内練習、指導、実際の症例経験につなげていくことが大切です。
外部研修は、院内教育を補う方法の一つ
院内に指導者がいて、継続して教育できる場合は、職場で実技を学ぶ方法があります。
一方で、
- 通常業務が忙しく、指導時間を確保しにくい
- 特定領域を教えられるスタッフが限られている
- 実技練習の時間を別に確保したい
- 第三者に現在の操作を確認してもらいたい
といった場合には、外部研修を取り入れる方法があります。
外部研修が常に最も効率的というわけではありません。
院内OJT、勉強会、外部研修などを組み合わせながら、施設に合った教育方法を考えましょう。
院内実施と経営効果は分けて考える
超音波検査を院内で行うことについて、「外注費が減る」「検査枠が増える」といったメリットが紹介されることがあります。
ただし、院内実施へ切り替えたことで、必ずコストが下がる、検査件数が増える、収益が増えるというものではありません。
実際には、
- 検査件数
- 装置の導入・維持費
- 人件費
- 教育費
- 教育に必要な勤務時間
- スタッフ配置
- 診療体制
などによって結果は異なります。
院内実施を検討するときは、「経営的に得かどうか」だけでなく、自施設で継続可能な検査体制をつくれるかどうかを確認することが大切です。
患者さんへの影響も事前に確認する
検査体制を変更する場合は、患者さんがどのように検査を受けるのかも確認する必要があります。
たとえば、
- どの曜日・時間に検査できるのか
- 予約方法をどうするのか
- 検査結果を誰が確認するのか
- 診察とどのようにつなげるのか
などです。
院内で実施できるようになれば患者満足度が上がる、と一律に考えることはできません。
患者さんにとって利用しやすい検査体制になっているかを、実際の運用と合わせて確認しましょう。
「すべて院内で行う」必要はありません
超音波検査の導入を考えるとき、「全部院内で対応できるようにしなければ」と考える必要はありません。
施設によっては、
- 院内で対応可能な領域だけ実施する
- 院内での対応が難しい検査は外部へ依頼する
- 特定領域から段階的に始める
- 担当者の経験に応じて対応範囲を調整する
といった方法も考えられます。
外注と院内実施を組み合わせながら、自施設に合う方法を検討することもできます。
補助金・助成制度は、対象要件を確認する
機器導入や人材教育に関して、補助金や助成制度を利用できる場合があります。
ただし、利用できる制度や対象条件は、事業内容、設備、研修内容、申請時期などによって異なります。
「超音波検査を導入するから利用できる」「研修を受けるから対象になる」と一律に判断することはできません。
利用を検討する場合は、国や自治体などの最新情報を確認し、必要に応じて担当窓口や専門家へ相談しましょう。
SASHIでは、医療機関向けのエコー実技研修を行っています
「超音波検査を院内で始めたいが、実技教育をどう進めればいいかわからない」
「院内で教える時間を確保しにくい」
「スタッフの現在の実技課題を確認したい」
そのような場合には、外部研修を活用する方法もあります。
SASHI合同会社では、病院・クリニックなど医療機関向けに超音波検査の実技研修を行っています。
腹部、心臓、頸動脈、乳腺、甲状腺などから、施設で必要な領域や受講者の経験を確認しながら、研修内容を調整します。
初めて学ぶ場合は、プローブの持ち方、基本操作、正常像、基本断面などから確認できます。
すでに経験がある場合には、苦手な断面や操作を中心に確認することもできます。
SASHIでは、「研修を受ければ院内導入できる」「短期間で担当者を育成できる」といった結果を保証するのではなく、現在の実技課題を整理し、その後の院内練習につなげることを大切にしています。
研修を受講することで、内製化、外注費削減、検査件数増加、収益向上、スタッフの独り立ちなどを保証するものではありません。
まとめ|導入前に「設備・人員・教育・運用」を整理する
超音波検査を院内で始める場合には、装置だけでなく、人材や教育、実際の運用まで含めて考える必要があります。
まずは、
- なぜ超音波検査を導入したいのか
- どの領域を実施したいのか
- どの程度の検査件数を想定しているのか
- 誰が担当するのか
- 教育をどう進めるのか
- 装置や検査スペースをどうするのか
- 検査後の記録・報告体制をどうするのか
を整理してみましょう。
「人材不足だから導入できない」「研修を入れれば導入できる」と単純に考えるのではなく、自施設に必要な検査体制を一つずつ設計する。
その中で実技教育が必要であれば、院内教育と外部研修を組み合わせる方法があります。
超音波検査の院内教育を検討している医療機関へ
SASHI合同会社では、病院・クリニックなど医療機関向けの超音波検査実技研修を行っています。
受講者の現在の経験や施設で必要な領域を確認しながら、必要な実技内容を整理します。
「院内で教える時間を確保しにくい」「新たにエコーを学ぶスタッフがいる」「実技課題を一度確認したい」といった場合もご相談いただけます。
超音波検査の学び方を相談したい方へ
現在の経験、苦手な走査、学びたい領域を確認し、一人ひとりに合う練習方法やレッスンをご案内します。
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