「もう一度、臨床に戻りたい」ブランクあり臨床検査技師が学ぶべきエコー実技とは?

公開: 更新: 約8分

「もう一度、臨床の現場に戻りたい。でも、エコーが少し不安」

転居や育児、介護、体調、働き方の変化などをきっかけに、臨床の現場を離れていた方もいると思います。

復職を考えたとき、知識そのものよりも、

「前みたいにプローブを動かせるかな」
「基本断面をちゃんと出せるかな」
「新しい職場で求められることに対応できるかな」

と、実技に不安を感じることもあります。

この記事では、ブランクのある臨床検査技師が復職前にエコーを学び直すとき、何を確認し、どのように練習すればよいかを具体的に見ていきます。

ブランク明けは「全部忘れた」と考えなくていい

しばらく現場を離れていると、「もうほとんどできないかもしれない」と感じることがあります。

ただ、実際には知識がすべてなくなっているとは限りません。

たとえば、

  • 解剖や検査の流れは覚えている
  • 基本断面のイメージは残っている
  • 装置を触れば思い出せそう
  • 以前つまずいていた部分は覚えている

ということもあります。

一方で、プローブの操作や装置設定は、実際に手を動かしてみないと現在地が分かりにくいものです。

「できる・できない」と大きく分けるのではなく、今どこまで覚えていて、どこから確認したいのかを整理することが復職準備の第一歩です。

復職前に不安になりやすいのは、知識より「実際に動けるか」

参考書を読んだり、動画を見たりすると、「これは知っている」と思えることもあるでしょう。

しかし、実際にプローブを持つと、

  • どこに当てればよかったか迷う
  • どちらへ傾けるのか分からなくなる
  • 画面と手の動きがうまく結びつかない
  • 一度出した断面をもう一度出せない
  • 呼吸や体位変換をどう使うか迷う

といったことがあります。

エコーは、知識を覚えるだけではなく、実際の操作と画像をつなげていく技術です。

そのため、復職前に学び直す場合も、知識の復習だけで終わらせず、自分の手でプローブを動かして確認する時間をつくることが大切です。

まずは「次の職場で何を担当するのか」を確認する

復職前にエコーを学び直すとき、最初からすべての領域を復習する必要はありません。

まずは、次の職場でどの検査を担当する予定なのかを確認してみましょう。

たとえば、

  • 腹部エコーを担当する予定
  • 心エコーも経験が必要
  • 頸動脈エコーを中心に行う
  • 健診で腹部エコーを担当する
  • 入職後に少しずつエコー業務へ入る

など、職場によって求められる内容は異なります。

「エコーを全部やり直す」のではなく、次の職場で必要になることから優先して確認する。

そうすると、復職前の学びも進めやすくなります。

ブランク明けに確認したいエコー実技

復職前の実技練習では、まず基本操作から確認すると現在地が分かりやすくなります。

確認しておきたい内容

  • プローブの持ち方
  • プローブを置く位置
  • 角度や回転
  • 圧のかけ方
  • プローブを動かす方向
  • 基本断面
  • 呼吸の使い方
  • 体位変換
  • 計測方法
  • ゲインやフォーカスなどの装置設定

全部を一度に確認する必要はありません。

たとえば、

「肝臓の基本断面は思い出せる」
「胆嚢も描出できる」
「でも膵臓で止まる」

という場合は、膵臓の描出やその前後の操作を中心に練習します。

ブランクがあるから最初から全部やり直すのではなく、今の自分に必要なところから戻していくことが大切です。

短期間で「元通り」を目指さなくていい

復職前は、「できるだけ早く感覚を戻さなければ」と焦ることもあると思います。

ただ、エコーの習熟に必要な時間は一人ひとり違います。

ブランクの長さだけでなく、

  • 以前どの領域を担当していたか
  • どのくらいの頻度で検査していたか
  • 次の職場で何を担当するか
  • 復職後にどのくらい練習できるか

によっても変わります。

また、「エコーができる」といっても、

  • 基本断面を描出する
  • 計測する
  • 患者さんによる見え方の違いに対応する
  • 必要な画像を残す
  • 追加で確認するポイントを考える

など、いくつもの段階があります。

短期間で全部戻すことより、次の職場で必要なことを一つずつ確認していきましょう。

動画や参考書だけでは確認しにくい部分もある

復職前の知識整理には、参考書や動画も役立ちます。

解剖や正常像、検査の流れを確認したいときには使いやすい方法です。

一方で、

  • 自分のプローブ位置が合っているか
  • どのくらい傾ければよいか
  • なぜ画像が出ないのか
  • いつも同じ場所で止まる原因は何か

といったことは、自分だけでは気づきにくい場合があります。

そんなときは、実際に操作を見てもらいながら確認する方法もあります。

知識は自分で復習し、手を動かして分からないところは実技で確認する。

学ぶ内容によって方法を分けると、復職前の準備もしやすくなります。

「ブランクがある」ことと「復職できない」ことは別

ブランクがあると、求人を見ながら、

「この仕事は自分には無理かもしれない」
「エコー経験ありと書いてあるから応募できないかも」

と感じることもあるかもしれません。

ただ、求人によって求められる経験は異なります。

応募前には、

  • どのエコー領域を担当するのか
  • 経験必須なのか、経験者歓迎なのか
  • 入職後に教育を受けられるのか
  • ブランクがある場合のフォローはあるのか

を確認してみましょう。

「今できない=復職できない」と決めるのではなく、次の職場で必要なことを確認し、今できる準備から始めることが大切です。

SASHIでは、復職前のエコー実技を現在地から確認します

SASHI合同会社では、医療従事者向けにマンツーマンの超音波検査実技レッスンを行っています。

復職前だからといって、全員に同じ内容を最初から行うわけではありません。

まず、

  • 以前どの領域を経験していたのか
  • どのくらいブランクがあるのか
  • 次の職場で何を担当する予定なのか
  • 今どこで不安を感じているのか

を確認します。

そのうえで、必要に応じて、プローブの位置・角度・回転・圧、基本断面、計測、装置設定、呼吸、体位変換などを実際に練習します。

「昔できていたから、できて当然」と考える必要はありません。

忘れているところはもう一度確認する。

覚えているところはその先へ進む。

今の自分から必要な実技を整理していきます。

マンツーマンだから、基本から聞き直してもいい

ブランクがある方ほど、

「こんな基本的なことを今さら聞いていいのかな」
「以前やっていたのに、忘れていると思われたくない」

と感じることがあります。

SASHIのマンツーマン実技では、他の受講者と進み具合を比べる必要はありません。

同じ質問をもう一度しても、同じ操作を繰り返しても構いません。

職場では時間をかけにくい基本操作でも、学ぶ場だからこそ、止まって確認できます。

うまくできないところを隠すのではなく、そこから練習できることがマンツーマンの良さです。

復職後に使える形まで考えて練習する

復職前に一度描出できたからといって、それで準備が終わるわけではありません。

大切なのは、その後の職場で練習を続けられる形にすることです。

レッスン後には、

  • 今回確認できたこと
  • まだ迷うところ
  • 次に意識する操作
  • 職場で繰り返したい内容

を整理しておくと、復職後の練習につなげやすくなります。

復職前のレッスンだけで完成を目指すのではなく、その先の学びにつなげることを大切にしましょう。

まとめ|復職前だからこそ、今の自分を一度確認してみよう

ブランクがあると、「以前のようにできるかな」と不安になることもあります。

そんなときは、全部を一からやり直そうとせず、まず現在地を確認してみてください。

次の職場では何を担当するのか。

今も覚えていることは何か。

実際にプローブを持つと、どこで止まるのか。

そこが分かれば、次に練習することも見えてきます。

エコーをもう一度学びたい。その気持ちを、ブランクがあるからと止めたままにしなくてもいいと思います。

今の自分から、必要なことを一つずつ確認していきましょう。



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