訪問診療で臨床検査技師との連携を考えている方へ
「訪問診療の中で検査業務まで抱えると、時間に余裕がない」
「採血や検体管理、超音波検査などをどのように体制化すればよいのか」
訪問診療の体制を考える中で、このような課題を感じている医療機関もあるのではないでしょうか。
訪問診療では、診察だけでなく、採血、検体管理、各種検査、記録、他職種との連携など、さまざまな業務が発生します。
その中で、施設の診療内容や人員体制によっては、臨床検査技師と連携する方法も選択肢の一つです。
この記事では、訪問診療において臨床検査技師と連携する場合に考えられる役割や、導入前に整理しておきたいポイントを紹介します。
訪問診療では、診療だけでなくさまざまな業務が発生する
訪問診療では、限られた時間の中で患者さんの状態を確認し、必要な診察や検査を行います。
施設によっては、
- 採血
- 検体の取り扱い
- POCTなどの検査
- 超音波検査
- 記録や検査結果の整理
などを訪問先で行う場合もあります。
こうした業務が特定の職種に集中している場合は、「誰がどの業務を担当するのか」を改めて整理することも、診療体制を考えるうえで大切です。
訪問診療で臨床検査技師が関わることで考えられる役割
臨床検査技師は、施設の体制や医師の指示、法令上の業務範囲などを踏まえながら、検査に関わる役割を担うことがあります。
採血や検体に関する業務
訪問診療の内容によっては、採血や検体の取り扱いなどに臨床検査技師が関わることがあります。
検査業務の一部を役割分担することで、医師や他職種がそれぞれの業務に集中しやすい体制を検討できます。
POCTなど、その場で行う検査
訪問先でPOCTなどを実施する体制がある場合、その場で得られた検査結果を診療の参考情報として活用できることがあります。
ただし、検査結果のみで診断や治療方針が決まるわけではありません。
患者さんの症状、身体所見、既往歴、その他の検査結果などを含めて、医師が総合的に判断します。
超音波検査に関わる場合
訪問診療で超音波検査を行っている施設では、臨床検査技師が検査の実施に関わることも考えられます。
超音波検査によって得られた画像や所見は、患者さんの状態を把握するための情報の一つになります。
一方で、検査結果をどのように診断や治療へ反映するかは、医師が他の情報とあわせて判断します。
臨床検査技師との連携を考えるときに確認したいこと
臨床検査技師を訪問診療に加えれば、必ず業務効率が上がったり、診療の質が向上したりするわけではありません。
実際に導入する場合は、まず現在の診療体制を確認することが大切です。
- 訪問先でどのような検査を行っているか
- 現在その検査を誰が担当しているか
- どの業務に負担が集中しているか
- 臨床検査技師に担当してもらいたい業務は何か
- 医師・看護師など他職種との役割分担をどうするか
- 検体や機器をどのように管理するか
などを整理しましょう。
連携を始めるときの3つのステップ
1.必要な役割を明確にする
まずは、「臨床検査技師に来てもらうこと」そのものを目的にせず、現在どの業務に課題があるのかを整理します。
採血なのか、検体管理なのか、POCTなのか、超音波検査なのかによって、必要な体制は異なります。
2.業務範囲と連携方法を整理する
医師、看護師、臨床検査技師など、それぞれがどの業務を担当するのかを事前に整理します。
医療行為や検査の実施については、法令上の業務範囲や医師の指示、施設内の運用ルールなどを確認したうえで体制を構築することが必要です。
3.導入後に振り返る
連携を始めたあとは、実際の運用を振り返ります。
たとえば、
- 訪問時の役割分担は適切だったか
- 検査に必要な時間はどの程度だったか
- 機器や検体の管理に問題はなかったか
- 医師・看護師・技師の連携に改善点はないか
などを確認しながら、施設に合う運用方法を整えていきます。
「技師がいれば解決する」ではなく、チーム全体で考える
訪問診療で臨床検査技師と連携することは、検査体制を考えるうえでの一つの選択肢です。
ただし、臨床検査技師を配置すれば、再訪や入院が減る、診療時間が短縮する、患者満足度が上がると一律に言えるものではありません。
患者さんの状態や診療内容、訪問件数、スタッフ構成などによって、必要な体制は異なります。
大切なのは、
- 医師が担う業務
- 看護師が担う業務
- 臨床検査技師が担える検査業務
- その他のスタッフへ分担できる業務
を整理し、それぞれの専門性を活かせる体制を考えることです。
訪問診療でエコーを活用するなら、実技教育もあわせて考える
訪問診療で超音波検査を取り入れる場合、装置を導入するだけでなく、実際に検査を担当するスタッフの実技教育も必要です。
超音波検査は、解剖や病態の知識だけでなく、プローブ操作や画像描出、装置設定などを実際に練習する必要があります。
院内で十分な実技指導を行うことが難しい場合は、外部研修を活用する方法もあります。
SASHI合同会社では、医療機関向けに腹部・心臓・頸動脈・甲状腺・乳腺などの超音波検査実技研修を行っています。
施設で必要とされる検査内容や、受講するスタッフの現在の経験を確認しながら、研修内容を組み立てています。
外部研修だけで訪問診療に必要な技術がすべて身につくわけではありませんが、院内教育と組み合わせながら実技を学ぶ機会として活用できます。
まとめ|訪問診療に臨床検査技師をどう活かすかは、施設ごとに考える
訪問診療では、患者さんの状態や診療内容によって、必要な検査やスタッフ体制が異なります。
臨床検査技師との連携を検討する場合は、
- どの検査を訪問先で行うのか
- どの職種が担当するのか
- 臨床検査技師の専門性をどこで活かすのか
- 医師の診療とどのように連携するのか
- 導入後にどのように振り返るのか
を整理することが大切です。
「臨床検査技師を入れれば診療が変わる」と考えるのではなく、必要な検査と役割を整理したうえで、チーム医療の一つの選択肢として連携を検討する。
その視点から、自施設に合う訪問診療の体制を考えてみましょう。
訪問診療で超音波検査を活用するための実技教育を検討している医療機関へ
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施設で超音波検査をどのように活用したいのか、スタッフが現在どこまで経験しているのかを確認しながら、必要な実技研修についてご相談いただけます。
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