“できる技師”が来ない…臨床検査技師の質と数を両立させる方法

公開: 更新: 約6分

臨床検査技師不足に悩む医療機関へ

「募集を出しても、求める経験を持つ人材から応募がない」
「経験者を採用したいけれど、なかなか採用につながらない」
「採用後の教育まで、現場で十分に手が回らない」

臨床検査技師の採用や育成について、このような悩みを抱えている医療機関もあるのではないでしょうか。

特に腹部エコーや心エコーなど、実技経験が求められる業務では、採用時点ですべての技術を備えた人材だけを探そうとすると、採用の選択肢が限られることがあります。

そのため、人材確保を考える際には、採用活動だけでなく、現在働いているスタッフや新しく入職したスタッフをどのように育成していくかという視点も大切です。

この記事では、限られた人材の中で医療現場の体制を整えていくために、「スキルの可視化」「教育環境」「働き続けやすい職場づくり」という3つの視点から考えていきます。

経験者を採用するだけでなく、育成できる体制を考える

臨床検査技師の人材不足を考えるとき、「応募者が少ない」という採用面だけに目が向きがちです。

一方で、採用後にどのように業務を覚えてもらうのか、誰が指導するのか、どの段階までできれば独り立ちとするのかといった教育体制も重要です。

  • 経験者の採用に頼りすぎていないか
  • 新人やブランクのあるスタッフを育成する仕組みがあるか
  • 指導内容が担当者によって大きく異なっていないか
  • 教育するスタッフに負担が集中していないか

こうした点を確認しながら、採用と育成の両方から人員体制を考えることが大切です。

方法①:スキルマップで「できること」を見える化する

まず確認したいのが、現在働いているスタッフがどの業務を担当できるのかという点です。

その方法の一つとして、業務ごとの習熟状況を整理するスキルマップがあります。

たとえば、「腹部エコー」「採血」「尿沈渣」「心電図」など、施設で必要な業務ごとに評価項目を設定し、それぞれのスタッフの経験や習熟状況を確認します。

スキルを可視化することで、

  • どの業務を誰が担当できるのか
  • 施設内で不足している技術は何か
  • 次に誰へどのような教育が必要か
  • 採用時にどのような経験を持つ人材が必要か

といったことを整理しやすくなります。

評価制度と連動させる場合は、技術だけでなく経験年数や役割、施設ごとの評価基準なども含め、院内でルールを決めて運用することが必要です。

方法②:院内だけで難しい教育は、外部研修も選択肢にする

「スタッフを育てたいけれど、教えられる人が限られている」
「日々の業務が忙しく、十分な実技指導の時間を取れない」

そのような場合には、必要な部分に外部研修を取り入れる方法もあります。

SASHIでは、医療従事者を対象に、腹部・心臓・頸動脈・甲状腺・乳腺などの超音波検査について、施設の課題や受講者の経験に合わせた実技研修を行っています。

外部研修を活用する目的は、「短期間で即戦力にする」ことではありません。

院内だけでは練習しにくい実技について、現在の技術レベルや課題を確認し、今後どのような練習が必要なのかを整理する機会として活用できます。

その後、実際の職場で経験や練習を重ねていくことで、担当できる業務を少しずつ広げていくことを目指します。

なお、従業員に対する職業訓練では、要件を満たす場合に人材開発支援助成金を利用できる場合があります。対象となる訓練や支給条件はケースによって異なるため、利用を検討する場合は厚生労働省の最新情報や管轄の労働局、社会保険労務士などへご確認ください。

人材開発支援助成金|厚生労働省

方法③:働き続けやすい環境を考える

採用できた人材に長く働いてもらうためには、採用後の職場環境や教育体制についても考える必要があります。

たとえば、次のような取り組みがあります。

  • 定期的に業務や悩みを確認する面談の機会を設ける
  • 担当業務や評価基準をできるだけ明確にする
  • 教育担当者だけに負担が集中しない仕組みを考える
  • 勤務時間や働き方について、施設内で可能な範囲を検討する

どの取り組みが有効かは、施設の規模や人員体制、スタッフの状況によって異なります。

また、臨床検査技師が担当している業務を改めて整理し、資格や専門性が必要な業務と、他職種との役割分担を検討できる業務を分けて考えることも、人員体制を見直すきっかけになります。

「採用する」だけでなく「育てる」という選択肢もある

経験者を採用できれば、教育にかかる時間を抑えられる場合があります。

一方で、必要な経験を持つ人材を採用できるとは限りません。

そのため、

  • 現在のスタッフのスキルを把握する
  • 必要な教育内容を整理する
  • 院内で難しい部分は外部の教育機会も活用する
  • 働き続けやすい職場環境を考える

といった複数の方法を組み合わせながら、人材体制を整えていくことが大切です。

「経験者を採用できるまで待つ」だけではなく、現在いるスタッフやこれから入職する人材をどのように育てていくのかを考えることも、選択肢の一つです。

まずは施設内の課題を整理することから

臨床検査技師の採用や育成に悩んでいる場合、まずは「人が足りない」という状態をもう少し具体的に分けてみましょう。

たとえば、

  • そもそも人数が不足しているのか
  • 特定の検査を担当できる人が不足しているのか
  • 指導できるスタッフが不足しているのか
  • 教育方法が統一されていないのか
  • 採用後の育成に時間をかけられないのか

課題によって、必要な対策は異なります。

採用だけで解決しようとせず、育成や業務分担も含めて施設内の体制を見直すことで、今いる人材を活かせる方法が見つかる場合があります。

超音波検査の院内教育にお困りの医療機関へ

SASHI合同会社では、医療機関向けに超音波検査の実技研修を行っています。

施設で必要とされる検査、受講するスタッフの経験や現在の技術レベル、今後目指したい状態などを確認し、それぞれの施設に合わせて研修内容を設計します。

「エコーを教えられる人が院内にいない」「スタッフの技術を確認しながら教育したい」「院内の実技教育をどのように進めればよいか相談したい」といった場合は、お気軽にご相談ください。

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