Contents
僧帽弁輪速度とは
僧帽弁輪速度とは、
僧帽弁輪の動きをドプラ法で測定した心筋運動速度を指します。
主に
組織ドプラ法(Tissue Doppler Imaging:TDI)
を用いて測定されます。
左室拡張能を評価する際の
重要な指標の一つです。
僧帽弁輪とは
僧帽弁輪は、
左心房と左心室の境界にある
僧帽弁の付着部です。
心臓が収縮・拡張する際、
この弁輪も上下方向に動きます。
その動きの速度を測定したものが
僧帽弁輪速度です。
主な指標
僧帽弁輪速度には、
主に次の3つがあります。
- s′(収縮期速度)
- e′(早期拡張期速度)
- a′(心房収縮期速度)
それぞれ心機能の異なる側面を反映します。
e′の重要性
特に重要なのが
e′(イープライム)です。
e′は、
- 左室の弛緩能力
- つまり
- 拡張能
を反映します。
e′が低下している場合、
左室拡張障害が疑われます。
E/e′比
僧帽弁流入血流のE波と
僧帽弁輪速度e′を組み合わせた指標が
E/e′比です。
この値は、
左室充満圧を推定する際に用いられます。
一般に、
E/e′が高い
↓
左室充満圧が高い可能性
と考えられます。
臨床的な意味
① 左室拡張能評価
e′は
左室弛緩の程度を示す指標です。
拡張障害の評価に用いられます。
② 左室充満圧の推定
E/e′比は
左房圧や左室充満圧の推定に利用されます。
心不全評価で重要です。
③ EF正常心不全の診断
HFpEF(駆出率保持心不全)では、
EFが正常でも拡張能が低下しています。
その評価に
僧帽弁輪速度が役立ちます。
初学者がつまずきやすい点
よくある誤解として、
E/A比だけで拡張能を評価できる
EFが正常なら問題ない
という理解があります。
実際には、
僧帽弁流入血流
僧帽弁輪速度
左房容積
などを総合的に評価する必要があります。
まとめ
僧帽弁輪速度は、
僧帽弁輪の心筋運動速度を示す指標です。
組織ドプラ法で測定する
s′、e′、a′がある
e′は左室拡張能を反映する
E/e′比は左室充満圧推定に用いられる心エコーでは、
僧帽弁輪速度を理解することが
拡張機能評価の重要なポイントになります。











