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軸方向分解能とは
軸方向分解能とは、
超音波の進行方向に並んだ2つの構造を別々に識別できる能力を指します。
プローブから奥へ向かう方向、
つまり「深さ方向」の分解能です。
前後に並んだ構造が
どれだけ近接していても区別できるかを示します。
原理
軸方向分解能は、主に
・空間パルス長(spatial pulse length:SPL)
によって決まります。
軸方向分解能 = 空間パルス長 ÷ 2
と表されます。
空間パルス長が短いほど、
より近接した構造を区別できます。
空間パルス長とは
超音波は連続波ではなく、
短いパルスとして送信されます。
1つのパルスは、
複数の周期(波)で構成されています。
空間パルス長は、
波長 × パルス内周期数
で決まります。
つまり、
・波長が短い
・パルス内周期数が少ない
ほど空間パルス長は短くなります。
周波数との関係
波長は
波長 = 音速 ÷ 周波数
で決まります。
周波数が高いほど波長は短くなり、
結果として空間パルス長も短くなります。
そのため、
高周波
↓
短波長
↓
短い空間パルス長
↓
高い軸方向分解能
という関係になります。
臨床的な意味
① 小病変の識別に直結する
前後に並んだ小さな構造を
別々に描出できるかどうかは
軸方向分解能に依存します。
乳腺や甲状腺などの表在臓器では、
高周波プローブが使用される理由になります。
② 境界描出の明瞭さに影響する
軸方向分解能が低いと、
前後のエコーが重なって表示されます。
その結果、
・境界がぼやける
・内部構造が不明瞭になる
といった現象が起こります。
③ 振動子設計との関係
軸方向分解能を高めるために、
装置ではパルスを短くする工夫が行われています。
振動子のダンピングを強くすると、
振動の持続時間が短くなり、
空間パルス長が短縮されます。
これが高画質化の重要な要素になります。
用語整理
・軸方向分解能=進行方向の識別能力
・決定因子=空間パルス長
・式=SPL ÷ 2
横方向分解能とは
決定因子が異なります。
まとめ
軸方向分解能は、
深さ方向の識別能力を示す重要な概念です。
・進行方向に並んだ構造を区別する能力
・空間パルス長 ÷ 2 で決まる
・高周波ほど向上する
・小病変検出に直結する
超音波検査では、
軸方向分解能を理解することが
画像の鮮明さを物理的に説明する基礎になります。











