軸方向分解能

公開: 更新: 約3分

軸方向分解能とは

軸方向分解能とは、
超音波の進行方向に並んだ2つの構造を別々に識別できる能力を指します。

プローブから奥へ向かう方向、
つまり「深さ方向」の分解能です。

前後に並んだ構造が
どれだけ近接していても区別できるかを示します。

原理

軸方向分解能は、主に

・空間パルス長(spatial pulse length:SPL)

によって決まります。

軸方向分解能 = 空間パルス長 ÷ 2

と表されます。

空間パルス長が短いほど、
より近接した構造を区別できます。

空間パルス長とは

超音波は連続波ではなく、
短いパルスとして送信されます。

1つのパルスは、
複数の周期(波)で構成されています。

空間パルス長は、

波長 × パルス内周期数

で決まります。

つまり、

・波長が短い
・パルス内周期数が少ない

ほど空間パルス長は短くなります。

周波数との関係

波長は

波長 = 音速 ÷ 周波数

で決まります。

周波数が高いほど波長は短くなり、
結果として空間パルス長も短くなります。

そのため、

高周波

短波長

短い空間パルス長

高い軸方向分解能

という関係になります。

臨床的な意味

① 小病変の識別に直結する

前後に並んだ小さな構造を
別々に描出できるかどうかは
軸方向分解能に依存します。

乳腺や甲状腺などの表在臓器では、
高周波プローブが使用される理由になります。

② 境界描出の明瞭さに影響する

軸方向分解能が低いと、
前後のエコーが重なって表示されます。

その結果、

・境界がぼやける
・内部構造が不明瞭になる

といった現象が起こります。

③ 振動子設計との関係

軸方向分解能を高めるために、
装置ではパルスを短くする工夫が行われています。

振動子のダンピングを強くすると、
振動の持続時間が短くなり、
空間パルス長が短縮されます。

これが高画質化の重要な要素になります。

用語整理

・軸方向分解能=進行方向の識別能力
・決定因子=空間パルス長
・式=SPL ÷ 2

横方向分解能とは
決定因子が異なります。

まとめ

軸方向分解能は、
深さ方向の識別能力を示す重要な概念です。

・進行方向に並んだ構造を区別する能力
・空間パルス長 ÷ 2 で決まる
・高周波ほど向上する
・小病変検出に直結する

超音波検査では、
軸方向分解能を理解することが
画像の鮮明さを物理的に説明する基礎になります。

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