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深度とは
深度とは、
超音波検査において
画面の縦方向にどこまで体内を表示するかを決定する設定です。
つまみやボタンで深度を調整すると、
画像が拡大・縮小されたように見えますが、
これは表示範囲を変えているためです。
深度は、
画面の見え方だけでなく、
検査効率や評価のしやすさにも大きく影響します。
深度を変えるとどうなる?
深度の変更によって、
画像の情報量と見やすさが変化します。
深度を浅くする場合(例:16cm → 8cm)
表示範囲が狭くなり、
表層から中層の構造が大きく表示されます。
- 病変の詳細観察に適する
- 実質的な拡大効果が得られる
深度を深くする場合(例:8cm → 20cm)
表示範囲が広がり、
体の奥まで一度に確認できます。
- 臓器全体の位置関係を把握しやすい
- 全体像の評価に有効
カメラのズームに例えると、
浅い深度=拡大表示、
深い深度=引きの全体像
というイメージです。
基本ルール
深度設定の基本は、
観察したい臓器や病変が、画面中央からやや下に位置することです。
- 深すぎる場合:
画面下部に不要な黒いスペースが増える - 浅すぎる場合:
病変や臓器の底部が画面から切れてしまう
「見たいものを、無駄なく、切らずに表示する」
ことが深度設定の目的です。
臓器別の深度目安(成人)
一般的な目安は以下の通りです。
甲状腺・表在臓器:3~4cm
頸動脈:3~5cm
肝臓・腎臓:12~16cm
肥満体型・深部臓器:18~22cm
※体格や装置、目的に応じて調整が必要です。
深度とフレームレートの関係
深度を深くしすぎると、
1秒間に描画できる画像枚数(フレームレート)が低下します。
その結果、
動きのある構造が
「カクカク」した映像になります。
適度に深度を浅くすることで、
- フレームレートが向上
- 実質的な拡大効果が得られる
というメリットがあります。
心臓や血管など、
動きの速い部位では、
必要最小限の深度設定が鉄則です。
周波数・フォーカスとの連携
深度は、
周波数やフォーカス設定とも密接に関係します。
- 深いのに高周波:
深部が暗くなり、十分な情報が得られない - 浅い深度+高周波+適切なフォーカス:
鮮明な画像が得られる
調整の基本的な順序は、
深度 → フォーカス位置 → 周波数の微調整です。
深度を一定にする意義
深度は体格などの個人差を考慮して調整が必要ですが、
可能な範囲で一定の深度を保つことにも重要な意味があります。
同じ検査部位で深度をそろえることで、
臓器の大きさや形の違いを
視覚的に比較しやすくなります。
例えば、
- 臓器の腫大
- 萎縮
- 左右差
といった変化を、
「パッと見て」把握しやすくなり、
経時的な変化の評価にも有用です。
毎回深度が大きく異なると、
見かけ上の拡大・縮小に惑わされやすくなるため、
標準的な深度を意識した撮像は、
安定した評価につながります。
まとめ
深度設定の基本は、
「見たいものが画面中央に来る最小深度」を選ぶことです。
深度を適切に、かつ可能な範囲で一定に保つことで、
- 拡大効果
- フレームレート向上
- 臓器サイズ変化の把握
という複数のメリットが得られ、
検査効率と診断のしやすさが大きく向上します。












