「エコーって、何点の検査か知っていますか?」
院内に超音波診断装置はある。
でも、
- 実際に使えるスタッフが限られている
- 検査できる人がいない時間帯がある
- エコー機はあるけれど、十分に活用できていない
- どの検査をどの区分で算定するのか、スタッフ間で共有できていない
そんな医療機関もあるのではないでしょうか。
超音波検査は、検査する部位や方法によって診療報酬の区分が異なります。
エコーの技術だけではなく、「どの検査がどのように保険診療上評価されているのか」を知っておくことも、院内で超音波装置を活用していくうえでは大切です。
この記事では、2026年度(令和8年度)の診療報酬をもとに、超音波検査の基本的な点数と、院内でエコーを活用するときに考えたいことを整理します。
エコー機があることと、院内で活用できていることは別です。
設備・算定の知識・検査を担当できるスタッフ。この3つがそろって、初めて日常診療の中で活かしやすくなります。
超音波検査は「D215」で算定される
保険診療で行う主な超音波検査は、診療報酬点数表の「D215 超音波検査」に定められています。
同じ「エコー」でも、検査部位や方法によって点数は同じではありません。
2026年度の主な点数は次のとおりです。
| 検査区分 | 点数 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 断層撮影法:胸腹部 | 530点 | 腹部など |
| 断層撮影法:下肢血管 | 450点 | 下肢血管 |
| 断層撮影法:その他 | 350点 | 頭頸部、四肢、体表、末梢血管など |
| 経胸壁心エコー法 | 880点 | 通常の経胸壁心エコー |
| 訪問診療時の断層撮影法 | 400点 | 訪問診療時に行う心臓以外の断層撮影法 |
診療報酬は原則として1点=10円で計算されます。
たとえば530点であれば、診療報酬上は5,300円に相当します。
ただし、点数=そのまま医療機関の利益という意味ではありません。
装置の導入・保守、人件費、診療体制などさまざまなコストがあるため、点数と利益は分けて考える必要があります。
算定方法を知らないのは、少しもったいない
超音波検査には、検査する部位や方法によって複数の算定区分があります。
また、一定の条件を満たした検査では、追加の評価が設定されているものもあります。
大切なのは、
「エコーをやったから、とりあえず○点」
と考えるのではなく、実施した検査内容と診療報酬上の区分・要件を正しく確認することです。
制度を知らなければ、本来適切に算定できる検査について、院内で十分に理解されていないことも考えられます。
「知らなかったから算定していなかった」とならないためにも、まずは院内で現在の検査内容と算定方法を確認することが大切です。
もちろん、診療報酬は算定要件を満たした場合に請求できるものです。
「知っていれば何でも加算できる」というものではないため、実際の請求では最新の診療報酬点数表や通知を確認する必要があります。
エコー機はある。でも使える人が少ない
診療報酬の点数を知ったとしても、検査を行えるスタッフがいなければ、院内でエコーを活用することはできません。
実際の医療現場では、
- エコー機はあるけれど、使えるスタッフが一人しかいない
- 医師が診療の合間にエコーを行っている
- 以前は検査していたが、担当者が退職してから十分に使えていない
- 新しいスタッフに教えたいが、院内で教育する時間が取れない
- 装置はあるものの、特定の検査にしか使っていない
といった状況も考えられます。
高額な超音波診断装置を導入していても、検査を担当できるスタッフがいなければ、設備を十分に活かすことは難しくなります。
眠っているエコー機を、そのままにしていませんか?
新しい設備を増やす前に、すでに院内にあるエコー機をもう一度見直してみるのも一つの方法です。
例えば、
- どの診療でエコーを使用しているのか
- 現在どの検査を院内で行っているのか
- 検査できるスタッフは何人いるのか
- 特定のスタッフに負担が集中していないか
- 今後院内で行いたい検査はあるのか
- そのために必要な実技は何か
を整理すると、今ある設備をどう活かせるのかが見えやすくなります。
「エコー機を買ったけれど使えていない」のであれば、装置そのものの問題ではなく、実際に操作する人をどう育てるかが課題になっている場合もあります。
エコーを院内で活用するなら、スタッフの実技教育も必要
超音波検査は、装置のボタン操作を覚えるだけで行える検査ではありません。
実際には、
- プローブの位置
- 角度
- 回転
- 圧のかけ方
- 呼吸の使い方
- 体位変換
- 基本断面
- 計測
- ゲインやフォーカスなどの装置設定
などを、実際にプローブを持ちながら確認する必要があります。
知識を学ぶだけではなく、院内で担当する検査に合わせて、必要な実技を練習していくことが大切です。
院内教育だけで抱え込まなくてもいい
エコーを教えられるスタッフが院内にいても、通常業務をしながら新人教育まで担当するのは簡単ではありません。
教える側にも時間が必要ですし、受講する側も忙しい診療中では、同じ操作を何度も確認しにくいことがあります。
そのため、院内だけですべての実技教育を抱えるのではなく、外部研修を活用する方法もあります。
SASHIの法人向けエコー実技研修では、研修前に受講者の経験や、普段困っていること、施設で必要としている内容を確認します。
そのうえで、実際にプローブを持ちながら、施設や受講者に合わせた内容を練習します。
研修当日は、必要に応じて、
- 基本的なプローブ操作
- 基本断面の描出
- 装置設定
- 呼吸の使い方
- 体位変換
- 計測
などを確認します。
また、研修を受けて終わりではなく、研修後に院内でどのような練習を続けるかも整理します。
院内にあるエコー機、もっと活用できるかもしれません。
「装置はあるけれど、使えるスタッフが限られている」
「エコーを担当できるスタッフを育てたい」
「院内だけで実技教育を行うのが難しい」
SASHIでは、施設の状況や受講者の経験を確認しながら、必要なエコー実技を一緒に整理し、実際にプローブを持つ研修を行っています。
まとめ|点数を知った先に、院内でどう活かすかを考える
2026年度の主な超音波検査では、
- 胸腹部:530点
- 下肢血管:450点
- その他(頭頸部・四肢・体表・末梢血管など):350点
- 経胸壁心エコー:880点
- 訪問診療時の断層撮影法:400点
などの点数が設定されています。
診療報酬の仕組みを理解しておくことで、院内で現在行っている検査がどのように評価されているのかを確認できます。
そして、もう一つ考えたいのが「院内にあるエコー機を十分に活用できているか」ということです。
装置があっても、使えるスタッフが限られていれば活用できる場面も限られます。
今ある設備を活かしたいと考えている施設では、算定方法を確認すると同時に、誰が・どの検査を・どこまでできるようになりたいのかを整理し、必要な実技教育につなげていくことも一つの方法です。
まずは、院内のエコー機と現在の検査体制を一度見直してみてはいかがでしょうか。
実務での確認ポイントを整理したい方へ
記事は一般的な学習情報です。実際の運用条件を確認しながら、研修や教育で補いたい点をご相談いただけます。
研修・学習について問い合わせる受講前の相談だけでも可能です。現在の経験や目標に合わせてご案内します。