音速

公開: 更新: 約3分

音速とは

音速とは、音(機械的振動)が物質の中を伝わる速さのことを指します。
超音波検査では、プローブから発信された
超音波が体内を進む速度を意味し、
画像を正しく作成するうえで非常に重要な基本概念です。

医療用超音波装置では、
人体軟部組織内の平均音速を一定(1540 m/s)と
仮定して画像が構築されています。

つまり装置は、

「超音波は体内(軟部組織)を毎秒1540メートルで進む」

という前提で距離や位置を計算しています。

原理

超音波装置は次の仕組みで画像を作ります。

  1. プローブから超音波を送信
  2. 組織境界で反射
  3. 反射波(エコー)がプローブへ戻る
  4. 戻ってくるまでの時間を測定
  5. 距離を計算して画像化

距離は、

距離 = 音速 × 時間 ÷ 2

で求められます。
(超音波は往復するため2で割ります)

そのため、音速の仮定が実際と異なる場合、
画像上の位置や深さに誤差が生じます。

組織による音速の違い

実際には、人体内の音速は組織によって異なります。

組織音速(m/s)
空気約330
脂肪約1450
約1480
軟部組織(平均)約1540
筋肉約1580
約3000以上

しかし装置は1540 m/sで計算するため、
実際の音速との差が位置ずれや屈折などの
アーチファクトの原因になります。

臨床的な意味

① 距離・大きさ測定の基準になる

腫瘤サイズや臓器径の測定は、
音速1540 m/sを前提として算出されています。
そのため音速仮定から外れる組織を通過すると、
実際のサイズとの間に誤差が生じる可能性があります。

② 屈折や位置ズレの原因になる

異なる音速をもつ組織境界を斜めに通過すると、

・構造物が横方向へずれて表示される
・二重像(duplication artifact)が生じる

といった現象が起こることがあります。

③ アーチファクト理解の基礎になる

以下の現象は音速差と密接に関係します。

・屈折(refraction)
・側方陰影(edge shadow)
・位置誤認(misregistration artifact)

つまり、音速を理解すると
「なぜこの画像になるのか」を
物理的に説明できるようになります。

まとめ

音速は、超音波検査の画像形成を支える
最も基本的な物理概念の一つです。

・超音波は軟部組織内を約1540 m/sで進むと仮定される
・距離計算・位置表示の基準になる
・組織差による音速変化がアーチファクトを生む
・画像理解と読影精度向上に直結する知識

超音波画像を「見る」段階から「理解する」段階へ進むためには、
音速の概念理解が欠かせません。

超音波検査の学び方を相談したい方へ

現在の経験、苦手な走査、学びたい領域を確認し、一人ひとりに合う練習方法やレッスンをご案内します。

LINEで学習相談をする受講前の相談だけでも可能です。現在の経験や目標に合わせてご案内します。
レッスンを見る LINEで無料相談