Contents
ミラーイメージとは
ミラーイメージ(Mirror Image)とは、
強い反射体を境に、実際には存在しない構造が鏡に映ったように対称位置に描出されるアーチファクトです。
日本語では「鏡面反射」「ミラー効果」とも呼ばれます。
超音波検査では、
横隔膜や胸膜など、平滑で反射の強い構造の近傍で出現しやすく、
虚像を実在病変と誤認しないために、必ず理解しておくべき代表的なアーチファクトです。
発生する原理(しくみ)
超音波装置は、
「反射波は直線的に往復し、最短経路で戻ってくる」
という前提で、反射位置と距離を計算しています。
しかし、ミラーイメージでは次のような現象が起こります。
- 超音波が実在する構造物(実像)に当たる
- その反射波が鏡のように平滑な強い反射体に当たる
- さらに反射してプローブへ戻る
- 装置が反射経路を誤って解釈し、
反射体の向こう側に構造が存在すると判断する
この結果、
強い反射体を挟んで等距離・対称位置に虚像が描出されます。
画像上の特徴
ミラーイメージには、以下の特徴があります。
- 強い反射体を境に左右(または上下)対称の像が出現
- 実像とほぼ同じ形状・エコーレベルを示す
- 虚像は反射体の向こう側に描出される
- プローブ角度を変えると消失・変化しやすい
「実像+鏡に映った像」という関係性が、最大の特徴です。
出現しやすい条件・代表例
強い反射体が存在する場合
- 横隔膜
- 胸膜
- 膀胱壁
- 血管壁などの平滑な構造
代表的な臨床例
- 肝臓の像が横隔膜の向こう側に二重に見える
- 肝内構造が胸腔側に描出される
- 血管構造が反射体を挟んで対称位置に出現する
特に
肝臓 × 横隔膜
は、ミラーイメージの最も典型的な組み合わせです。
鑑別・注意点
実在病変との鑑別
ミラーイメージは、
- 実像と完全に対称な位置関係
- 強い反射体を挟んで出現
- プローブ角度や体位で消失・変化
といった特徴を持ちます。
そのため、
- 複数断面で同じ位置に存在するか
- プローブ操作で像が変化するか
を確認することで、実在病変との鑑別が可能です。
他のアーチファクトとの違い
- 多重反射(リバーブレーション)
後方に等間隔で複数の像が並ぶ - 屈折アーチファクト
構造が左右にずれて表示される - ミラーイメージ
強い反射体を境に対称像が出現
この対称性が、最大の見分けポイントです。
臨床での意味
ミラーイメージは、
- 診断に利用するアーチファクトではなく
- 積極的に除外すべき虚像
です。
一方で、
「この部位に非常に強い反射体が存在する」
という情報を示している点では、
組織の物理特性を理解する手がかりにもなります。
まとめ
ミラーイメージとは、
強い反射体による鏡面反射によって生じる、対称的な虚像です。
原理と特徴を理解することで、
- 虚像を正しく見抜く
- 誤診を防ぐ
ことが可能になり、
超音波検査全体の精度向上につながります。











