STC(Sensitivity Time Control)

公開: 更新: 約3分

STCとは

STCとは、
超音波検査において
画面の「深さごとの明るさ」を調整するための基本機能です。

超音波は、
体内を進むにつれて徐々に弱くなります(減衰)。

STCはこの減衰を補正し、
浅い部分から深い部分まで、
できるだけ均一な明るさで表示するために用いられます。

TGCとの関係

STC(Sensitivity Time Control)と
TGC(Time Gain Compensation)は、
同じ機能を指す別名称です。

メーカーや装置によって呼び方が異なりますが、
どちらも
「時間(=深さ)に応じて受信感度を変える」
という仕組みです。

操作は、
装置パネル上に並んだ
複数のスライダーで行います。

原理(しくみ)

超音波は、
体表近くでは強い反射信号が得られますが、
深部へ進むほど減衰し、
反射信号は弱くなります。

そのままでは、
浅部は明るく、
深部は暗い画像になってしまいます。

STCは、
深さごとに受信感度を変えることで
この明るさの差を補正します。

操作イメージ

STCは、
装置画面下部などに配置された
スライダー(通常8~12本)で操作します。

一般的な対応関係は以下の通りです。

上部スライダー(ニアゲイン):
体表~浅部(およそ1~3cm)の明るさを調整

中央スライダー:
中間深度(およそ3~8cm)の明るさを調整

下部スライダー(ファーゲイン):
深部(8cm以深)の明るさを調整

例えば、
深部スライダーを上げると、
肝臓や腎臓の奥側が
局所的に明るく表示されます。

「スライダーを動かした深さ帯だけが明るく(または暗く)変化する」
という感覚を意識すると理解しやすくなります。

ゲインとの違い

STCは、
ゲインと混同されやすい機能です。

ゲインとSTCの違いは以下の通りです。

ゲイン:
画面全体の明るさを一律に調整

STC:
指定した深さ帯のみの明るさを調整

用途としては、
ゲインが全体のコントラスト調整、
STCが深部減衰の補正、
という役割分担になります。

臨床での使い方

① まず全体ゲインで、
  画面全体の明るさを整えます。

② 次にSTCを用いて、
  肝臓などの実質臓器が、
  上から下までほぼ均一な灰色調になるよう調整します。

③ 深部が暗い場合:
  下部スライダーを上げる

④ 表層ノイズが多い場合:
  上部スライダーを下げる

この順序で操作すると、
調整が過剰になりにくくなります。

注意点

STCを上げすぎると、
ノイズが増加し、
偽陽性エコーが出現しやすくなります。

逆に下げすぎると、
深部病変の見逃しにつながる可能性があります。

調整の基準としては、
正常な実質臓器(例:肝臓)を「基準画像」として
自然な階調になるよう微調整することが重要です。

まとめ

STC(TGC)は、
深さごとの明るさを整えるための調整機能です。

ゲインで全体を整え、
STCで深さ別に補正することで、
浅部から深部まで
診断しやすい画像を作ることができます。

参考資料・根拠

    更新・訂正履歴

    執筆・編集・確認

    sashi

    執筆

    sashi

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