パワードプラについて

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パワードプラ(Power Doppler)

パワードプラとは

パワードプラとは、
超音波検査において
血流の「強さ(ドプラ信号量)」を色で表示するドプラ法です。

カラードプラが
血流の方向や速度を表示するのに対し、
パワードプラは
血流が「存在しているかどうか」を、より高感度に捉えることに特化しています。

特に、
微細な血管や低流速の血流評価に優れており、
腫瘍や炎症性病変の血流観察などで
広く用いられています。

原理(しくみ)

パワードプラも、
基本的にはドップラー効果を利用していますが、
解析する情報の種類が異なります

カラードプラでは、
反射波の周波数変化から

  • 血流方向
  • 血流速度

を算出します。

一方、パワードプラでは、
反射してきたドプラ信号の
強さ(パワー成分の総和)を解析し、

  • 血流信号の有無
  • 相対的な血流の多さ

を、
色の濃淡として表示します。

そのため、

  • 血流の方向は分からない
  • 血流速度の測定はできない

という特徴がありますが、
低流速でも血流を検出しやすいという大きな利点があります。

特徴(メリット)と重要性

低流速血流に強い

パワードプラは、
ゆっくり流れる血流や、
細い血管内の血流でも描出しやすく、
カラードプラでは見えにくい血流を補完できます。

微細血管の評価に適している

腫瘍周囲の新生血管や、
炎症部位に伴う血流増加など、
微細な血管ネットワークの把握に有用です。

角度依存性が比較的少ない

血流方向の判定を行わないため、
カラードプラと比べて
血流とビームの角度の影響を
受けにくい傾向があります。

ただし、
角度依存性が完全に無くなるわけではないため、
適切なプローブ操作は依然として重要です。

血流の有無確認に優れる

パワードプラは、
「血流があるかどうか」を確認する目的に非常に適しています。

存在診断や、
治療前後での血流変化の評価にも
役立ちます。

限界(デメリット・注意点)

血流方向が分からない

パワードプラには方向情報がないため、
逆流の評価や流向判定には不向きです。

動きに弱い(モーションアーチファクト)

低流速血流に高感度である反面、
呼吸や体動、プローブのわずかな揺れも
血流信号として拾いやすくなります。

そのため、
モーションアーチファクトが生じやすく、
画像の安定化が重要です。

定量評価には向かない

血流速度や実際の血流量を
数値として測定することはできません。

あくまで、
血流の存在や相対的な変化を
評価する検査です。

どのような部位で使われるか(例)

腫瘍性病変の評価

  • 肝腫瘍
  • 甲状腺腫瘤
  • 乳腺腫瘤

腫瘤内部や周囲の血流を描出し、
良悪性鑑別の補助情報として用いられます。

炎症性疾患

  • 甲状腺炎
  • 関節炎
  • 腸炎

炎症に伴う血流増加の評価に有用です。

小血管・末梢血流

  • 精巣捻転における血流評価
  • 末梢循環の確認
  • 移植臓器(腎移植など)の血流観察

カラードプラとの違い(整理)

カラードプラ:
血流の方向・速度を色で表示

パワードプラ:
血流の強さ・存在を色で表示

パワードプラは、
低流速・微細血流に強い一方で、
方向評価はできない、という役割分担になります。

関連用語

  • カラードプラ
  • パルスドプラ
  • モーションアーチファクト
  • 微小血流(slow flow)
  • 新生血管評価

まとめ

パワードプラは、
血流の存在を高感度に捉えるためのドプラ法です。

血流方向や速度の評価には向きませんが、
低流速・微細血管の描出に優れており、
腫瘍や炎症評価において
非常に重要な役割を果たします。

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