ドプラモード/ドプラ法について

用語集

ドプラモード/ドプラ法(Doppler mode / method)

ドプラモードとは

ドプラモードとは、
超音波検査において
血流や組織の動きを評価するための表示方式です。

ドップラー効果
(動く物体によって反射波の周波数が変化する現象)
を利用し、
血流の速度・方向・量
可視化・数値化します。

Bモード画像の上に血流情報を重ねて表示することで、
静止画では分からない
「流れ」の情報を診断に活用します。

原理(しくみ)

プローブから送信された超音波が、
動いている赤血球に当たると、
反射波の周波数が変化します。

  • 近づく血流:周波数が高くなる
  • 遠ざかる血流:周波数が低くなる

この周波数のずれを
ドプラシフトと呼びます。

装置はドプラシフトを解析し、
血流速度を算出します。

実際の検査では、
血流方向と超音波ビームの角度を考慮し、
角度補正(cosθ補正)を行うことで、
より正確な流速評価が可能になります。

ドプラ表示の種類と特徴

カラードプラ

(CFD:Color Flow Doppler)
Bモード画像上に、
血流を色でマッピングして表示します。

  • 平均血流速度と方向を色で表示
  • 血流の分布や乱流を視覚的に把握

血流の有無や広がりを
直感的に評価するのに適しています。

パルスドプラ

(PWD:Pulsed Wave Doppler)
特定の深さに設定した
サンプルボリュームから
血流速度波形を取得します。

  • 距離分解能あり
  • 心内血流や弁流速の測定に有用

連続波ドプラ

(CWD:Continuous Wave Doppler)
超音波を連続的に送受信する方式で、
非常に高速な血流を測定できます。

  • 上限流速が高い
  • 距離分解能はない

大動脈弁狭窄など、
高速血流の評価に用いられます。

パワードプラ

血流の方向情報は持たず、
血流の存在や量を強調して表示します。

  • 低流速・微小血流に高感度
  • 腫瘍血管や末梢血流の評価に有用

検査での使われ方

ドプラモードは、
さまざまな領域で活用されています。

心エコー:
弁狭窄の圧較差評価、逆流ジェットの確認

腹部超音波:
肝細胞癌の腫瘍血管、門脈血流評価

血管エコー:
狭窄部の流速比(PSV比)、DVTの評価

検査時は、
血流とビームの角度を60度以内に保ち、
PRF(パルス繰り返し周波数)や
ゼロラインを調整することで、
エイリアシング(折り返し現象)を回避します。

注意点と限界

ドプラ法には、いくつかの制約があります。

  • 血流とビームの角度が90度に近いと
    信号が著しく弱くなる(角度依存性)
  • 高速血流ではエイリアシングが発生しやすい
  • 血管壁などの組織運動が
    血流信号と混同されることがある
    (ウォールフィルターで除去)
  • ドプラ併用時は
    フレームレートが低下しやすいため、
    Bモードとのバランス調整が必要

まとめ

ドプラモードは、
血流や組織の動きを評価するための重要な超音波技術です。

Bモードと組み合わせることで、
形態と機能の両面から
より精度の高い診断が可能になります。

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