「復職したいけれど、以前のように働けるか不安」
「しばらく現場を離れていたので、機器や手順についていけるか心配」
「以前できていた検査も、今は少し自信がない」
ブランクを経て医療現場への復職を考えると、こうした不安を感じることがあります。
特に医療現場では、使用する機器や院内システム、検査手順などが変わっていることもあります。
そのため、復職前後に「今どこまでできるのか」「何をもう一度確認したいのか」を整理することが大切です。
この記事では、臨床検査技師など医療従事者の復職支援を考える医療機関に向けて、研修体制を整えるときのポイントを紹介します。
復職支援では「ブランクがある」だけで一括りにしない
同じようにブランクがある方でも、これまでの経験や離職期間、復職後に担当する業務は一人ひとり違います。
たとえば、
- 採血や心電図は経験している
- 検体検査を中心に担当していた
- 以前エコーを担当していた
- エコーは見学のみで実務経験は少ない
- 長期間、医療現場を離れていた
など、現在地はさまざまです。
復職研修では、全員に同じ内容を行うのではなく、過去の経験と、復職後に必要な業務を確認することから始めます。
復職者が不安を感じやすいポイント
復職を考える方が不安に感じる内容には、いくつかの傾向があります。
- 以前と検査機器が変わっている
- 電子カルテや検査システムの操作に慣れていない
- 検査手順をどこまで覚えているか分からない
- 実技の感覚が残っているか不安
- 家庭や生活との両立ができるか心配
- 職場で基本的なことを聞きにくい
こうした不安をすべて「ブランクの問題」とまとめるのではなく、内容を分けて考えることが大切です。
機器や院内システムは勤務先で確認する。
知識として復習できる部分は、自分で整理する。
実技に不安がある部分は、実際に手を動かして確認する。
必要な学び方を分けることで、復職前後の準備を考えやすくなります。
医療機関側は「何を教える必要があるか」を整理する
復職者を受け入れるとき、施設側も「どこから教えればよいのか」と迷うことがあります。
まずは、復職後に担当する予定の業務を整理してみましょう。
- 入職後すぐに担当する業務
- 指導を受けながら担当する業務
- 今後少しずつ学ぶ業務
- 院内でしか教えられない内容
- 外部研修を利用できる実技
たとえば、電子カルテや院内の報告方法は勤務先で確認する必要があります。
一方で、エコーの基本的なプローブ操作や基本断面などは、外部研修を使って確認する方法もあります。
復職研修では「全部できる状態」を最初から求めない
以前経験していた業務であっても、しばらく離れていれば、すぐに同じようにできるとは限りません。
だからといって、最初からすべてできる状態になるまで復職できないということでもありません。
たとえば、
- 手順は覚えているが、実際の操作に不安がある
- 基本操作はできるが、機器の違いに戸惑う
- 特定の検査だけ長く担当していない
- 知識はあるが、実技をもう一度確認したい
というように、できる部分と確認したい部分を分けて考えます。
「できる・できない」の二択ではなく、今どこまでできていて、次に何を確認するかを整理することが大切です。
エコーの復職支援では、実際にプローブを持つ時間をつくる
超音波検査を以前担当していた方でも、ブランク後にプローブを持つと、感覚が違うと感じることがあります。
実技では、
- プローブを置く位置
- 角度
- 回転
- 圧のかけ方
- 動かす方向
- 基本断面
- 計測
- 呼吸や体位変換
- ゲインやフォーカスなどの装置設定
などを一つずつ確認します。
以前できていたからといって、最初から同じように操作できる必要はありません。
まず実際にプローブを持ち、今どこで迷うのかを確認することが、復職前の実技準備につながります。
院内で教える内容と、外部研修を使う内容を分ける
復職者への教育を、すべて院内だけで行う必要はありません。
教育内容によって役割を分ける方法もあります。
院内で確認したいこと
- 施設独自の検査手順
- 電子カルテや検査システム
- 報告方法
- 業務分担
- 実際の勤務フロー
外部研修で確認しやすいこと
- エコーの基本的なプローブ操作
- 位置・角度・回転・圧
- 基本断面
- 計測
- 呼吸や体位変換
- 苦手な臓器や断面の反復練習
院内でしか教えられないことに、院内スタッフの時間を使う。
時間をかけて確認したい実技については、必要に応じて外部研修を使う。
こうした役割分担によって、復職者と指導者の双方が学びやすい形を考えることができます。
復職研修だけで、人材不足や定着の問題が解決するわけではない
復職支援や研修体制を整えることは、医療機関の教育を考える一つの方法です。
ただし、研修を実施したからといって、
- 人材不足が解消する
- 外注費が削減できる
- 離職率が下がる
- 検査枠が増える
- 患者満足度が上がる
と直接結びつけることはできません。
働き続けられるかどうかには、勤務条件、業務量、人間関係、家庭との両立、教育体制など、さまざまな要素が関わります。
復職研修は、復職者が必要なことを確認しながら業務へ戻っていくための教育支援として考えることが大切です。
SASHIでは、復職前後のエコー実技研修も相談できます
SASHI合同会社では、医療従事者向けに超音波検査の実技研修を行っています。
復職そのものを保証したり、短期間で即戦力になることを約束したりするサービスではありません。
SASHIが支えるのは、復職前後に「もう一度確認しておきたいエコー実技」がある方の学びです。
たとえば、
- 以前エコーを担当していたが、長く触っていない
- 復職先で腹部エコーを担当する予定がある
- プローブ操作を基本から確認したい
- 以前苦手だった断面をもう一度練習したい
- 復職するスタッフの実技研修を施設として用意したい
といった場合に相談できます。
個人向けでは現在の経験や目標を確認しながら、マンツーマンで必要な実技を練習します。
法人向けでは、施設で必要な領域や受講者の経験を事前に確認し、研修内容を調整します。
法人研修では、研修後の院内練習まで整理する
復職研修も、一度受講して終わりではありません。
研修後には、
- 今回確認できた操作
- まだ不安が残る内容
- 次に院内で練習すること
- 誰に確認してもらうか
などを整理しておくと、その後の学びにつなげやすくなります。
外部研修で一度できたことをゴールにせず、復職後の業務の中で次に何を確認するかまで考えることが大切です。
人材開発支援助成金を利用できる場合もあります
法人向け研修では、事業所や受講者、研修内容などが制度の要件を満たした場合、人材開発支援助成金を利用できる可能性があります。
すべての研修が対象になるわけではありません。
制度内容や申請条件は変更されることもあるため、利用を検討するときは、厚生労働省の最新情報や社会保険労務士などの専門家へ確認してください。
まとめ|復職者に必要なのは「全部やり直すこと」ではない
医療現場へ復職するとき、以前と同じ状態まで一度に戻す必要はありません。
まずは、
- これまでどの業務を経験していたか
- 復職後に何を担当するのか
- 今もできそうなことは何か
- もう一度確認したいことは何か
- 院内で学べることと、外部で練習したいことは何か
を整理してみましょう。
ブランクを埋めることを目的にするのではなく、今の自分から、復職後に必要なことを一つずつ確認する。
医療機関側も、その現在地に合わせて学べる環境をつくることが、復職支援の一つの形です。
復職するスタッフのエコー実技教育を考えている医療機関へ
「以前エコーを経験していたスタッフに、基本操作を確認してほしい」
「院内だけでは十分な実技時間を確保しにくい」
「復職者の経験に合わせて、必要な実技を整理したい」
SASHIでは、施設で必要な領域と受講者の現在地を確認しながら、必要なエコー実技研修を一緒に整理できます。
院内の超音波検査教育を整えたい医療機関へ
現在の教育体制、対象領域、受講者の経験を確認し、現場に合う法人研修や育成計画をご提案します。
法人研修について相談する受講前の相談だけでも可能です。現在の経験や目標に合わせてご案内します。