「また採用からやり直しか…」と感じていませんか。
求人を出しても、なかなか応募が来ない。
採用できても、現場で教える時間を確保できない。
指導できる人が限られ、特定のスタッフに負担が集中している。
臨床検査技師不足に悩む施設では、「採用すること」だけでなく、「入職したスタッフをどう育てていくか」も大きな課題になります。
特にエコーのような実技は、資料を渡したり見学してもらったりするだけでは伝えにくく、実際に手を動かしながら確認する時間が必要です。
この記事では、臨床検査技師不足に悩む医療機関に向けて、院内教育の負担を整理しながら、外部研修をどのように活用できるのかを考えていきます。
臨床検査技師不足は「採用」だけでは考えにくい
人手が足りなくなると、まず求人を出して採用を増やすことを考える施設は多いと思います。
もちろん、新しい人材を確保することは重要です。
一方で、採用した後の教育体制まで整っていなければ、今いるスタッフの負担がさらに増えることもあります。
たとえば、
- 教育担当者が明確に決まっていない
- 教える内容が指導者によって異なる
- 通常業務が忙しく、練習時間を取れない
- 新人が質問するタイミングをつかめない
- 今できることと、まだ練習が必要なことが整理されていない
といった状態です。
人手不足を考えるときは、「何人採用するか」だけでなく、「採用後の教育を誰が、どう支えるか」まで見ておく必要があります。
院内教育が一部のスタッフに集中していませんか?
新人教育や実技指導は、どうしても経験のあるスタッフに任されやすくなります。
ただ、通常業務を行いながら、後輩の手元を見て、質問に答え、できていない部分を確認するには時間がかかります。
特に超音波検査では、
- プローブを置く位置
- 角度や回転
- 圧のかけ方
- 基本断面
- 装置設定
- 呼吸や体位変換
- 画像が出ないときの修正
など、実際の操作を見ながら伝えたい内容が多くあります。
一度説明しただけで同じように再現できるとは限りません。
何度かプローブを持ち、うまくいかなかったところで止まり、もう一度確認する。その時間を院内だけで確保するのが難しい施設もあるでしょう。
「見て覚えて」だけでは分からないこともある
忙しい現場では、まず先輩の検査を見学してもらうこともあると思います。
見学から学べることは多いものの、「見て分かる」と「自分でできる」は同じではありません。
たとえばエコーでは、先輩が操作していると簡単そうに見えても、自分でプローブを持った瞬間に、
- どこに置けばよいか分からない
- どちらへ傾けるのか迷う
- 画面と手の動きが結びつかない
- 一度見えた断面をもう一度出せない
- 患者さんが変わると同じように描出できない
といったつまずきが出てきます。
「経験が足りない」で終わらせるのではなく、どの操作で止まっているのかを確認できる時間をつくることが、実技教育では重要です。
院内教育では「何を、どこまで確認するか」を分けて考える
新人や未経験者を育てるとき、「3か月で独り立ち」「半年で一人で担当」といった期間だけを先に決めても、実際の到達度は人によって異なります。
それよりも、今どこまでできていて、次に何を練習するのかを細かく確認した方が、教育の流れをつくりやすくなります。
たとえば腹部エコーなら、
- 装置の基本操作を確認する
- プローブの持ち方を確認する
- 基本断面を描出する
- 臓器ごとの走査順を確認する
- 呼吸や体位変換を使う
- 計測位置を確認する
- 画像が出ないときに見直すポイントを整理する
というように分けられます。
「できる・できない」の二択ではなく、「どこまではできていて、どこから助言が必要なのか」を見る。
そうすると、教える側も次の指導内容を考えやすくなります。
評価制度と実技教育は、役割を分けて考える
人材育成では、評価制度について考える場面もあります。
ただし、実技研修を受けたことと、昇給や人事評価をそのまま結びつける必要はありません。
人事評価では、役割、勤務状況、担当業務、組織の方針など、さまざまな要素を踏まえます。
一方、実技教育で確認したいのは、
- 今できること
- まだ助言が必要なこと
- 次に練習する内容
- 誰に確認してもらうのか
といった、学習そのものの進み方です。
成長のための確認と人事評価を分けて考えると、教育の場で「できない」と言いやすくなります。
実技は、できていないところを隠す場ではなく、今どこで困っているのかを確認して、次の練習につなげる場として設計することが大切です。
院内だけで教えるのが難しいときは、外部研修を使う方法もある
すべての教育を院内だけで行わなければならないわけではありません。
特に、指導できるスタッフが少ない、通常業務の中で実技を見る時間が取れないといった場合は、外部研修を院内教育の一部として使う方法もあります。
たとえばエコー実技なら、
- プローブの基本操作
- 基本断面の描出
- 装置設定
- 呼吸や体位変換
- 苦手な臓器や断面
- 繰り返し迷う操作
などを、実際にプローブを持ちながら確認できます。
外部研修だけで院内教育が完結するわけではありません。
研修で確認した内容を、その後の勤務先での練習につなげることが重要です。
SASHIの法人研修は、院内教育の一部を実技で支えます
SASHI合同会社では、医療機関向けに超音波検査の実技研修を行っています。
SASHIが担うのは、人手不足そのものを解消することではありません。
院内でエコー教育を進めたいものの、
- 指導できるスタッフが限られている
- 通常業務の中で実技を見る時間が取りにくい
- 新人や未経験者に何から教えるか迷っている
- 同じ操作で何度もつまずいているスタッフがいる
といった施設に対して、実技教育の一部を外部から支えるという位置づけです。
受講者全員に同じ内容を行うのではなく、施設で必要な領域や受講者の経験、普段困っていることを確認しながら研修内容を調整します。
法人研修は「研修前・当日・研修後」で考える
SASHIでは、研修当日の時間だけで終わらせず、その前後まで含めて実技教育を考えます。
研修前|現在地を確認する
- 受講者のエコー経験
- 現在担当している業務
- 苦手な操作
- 日頃の検査で困っていること
- 施設内で必要な領域
研修当日|実際に手を動かして確認する
- プローブの位置・角度・回転
- 圧や動かす方向
- 基本断面
- ゲインやフォーカスなどの装置設定
- 呼吸や体位変換
- 普段つまずいている操作
研修後|次に院内で練習することを整理する
- 今回確認できたこと
- まだ練習したい内容
- 院内で次に確認するテーマ
その日の「できた」で終わらず、次の練習につなげること。
そこまで含めて、SASHIでは実技研修を考えています。
外部研修を入れる前に、施設側でも目的を整理する
研修内容を施設に合わせるためには、事前に「何を学んでもらいたいのか」を整理しておくことも役立ちます。
確認したいのは、
- 誰が受講するのか
- どの領域を学ぶのか
- 現在どこまで経験しているのか
- どの操作で困っているのか
- 研修後に院内で練習できる環境があるか
という点です。
たとえば、
「腹部エコーを教えてほしい」
よりも、
「腹部の基本走査を確認したい」
「膵臓の描出で止まるスタッフがいる」
「心尖部四腔像までの操作を一度整理したい」
と具体的にした方が、研修で確認する内容も決めやすくなります。
人手不足のときこそ、院内で抱える教育を整理する
人手が足りない状況では、通常業務を回すことが優先され、教育は後回しになりがちです。
その一方で、新人や未経験者が増えれば、教える時間も必要になります。
そこで、教育内容を、
- 院内で確認したいこと
- 外部研修で補えること
- 本人が自分で学べること
に分けてみる方法があります。
すべてを院内だけで抱え込まず、実技をじっくり確認したい部分だけ外部へ任せる。
それも、院内教育の負担を考えるうえでの一つの選択肢です。
人材開発支援助成金を利用できる場合もあります
法人向け研修では、事業所や受講者、研修内容などが制度の要件を満たす場合、人材開発支援助成金を利用できる可能性があります。
ただし、すべての法人研修が対象になるわけではありません。
制度内容や申請条件は変更されることもあるため、利用を検討する際は、厚生労働省の最新情報や社会保険労務士などの専門家へ確認してください。
まとめ|臨床検査技師不足の中で「誰が教えるか」も考えてみよう
臨床検査技師不足への対応というと、採用に目が向きやすくなります。
しかし、採用後には教育も必要です。
まずは、
- 誰が実技を教えているのか
- どのスタッフに教育負担が偏っているのか
- 新人や未経験者はどこでつまずいているのか
- 院内で教えたいことは何か
- 外部研修へ任せられる部分はないか
を整理してみてください。
エコー実技では、見学するだけでなく、自分でプローブを持ち、うまくいかないところで立ち止まって確認する時間も必要です。
院内で教え続けるのが難しい部分を、外部の実技研修で補う。
すべてを任せるのではなく、院内教育の一部として使うことで、施設に合った教育の形を考えやすくなります。
院内のエコー実技教育について相談したい医療機関へ
指導できるスタッフが限られている。
通常業務の中で、実技を見る時間を取りにくい。
新人や未経験者に、どこから教えればよいか迷っている。
そんな場合は、受講者の経験や施設で必要な領域を確認しながら、研修内容を一緒に整理できます。
法人研修について相談する超音波検査の学び方を相談したい方へ
現在の経験、苦手な走査、学びたい領域を確認し、一人ひとりに合う練習方法やレッスンをご案内します。
LINEで学習相談をする受講前の相談だけでも可能です。現在の経験や目標に合わせてご案内します。