Contents
分解能とは
分解能とは、
近接した2つの構造を別々のものとして識別できる能力を指します。
超音波検査では、
小さな病変や隣接する組織を
どれだけ明確に区別できるかを示す重要な指標です。
分解能が高いほど、
細かい構造を鮮明に描出できます。
分解能の種類
超音波検査では、主に次の3つがあります。
・軸方向分解能(axial resolution)
・横方向分解能(lateral resolution)
・時間分解能(temporal resolution)
それぞれ決定因子が異なります。
軸方向分解能
超音波の進行方向に並んだ
2つの構造を区別できる能力です。
これは主に、
・空間パルス長(SPL)
・波長
によって決まります。
空間パルス長は、
「波長 × パルス内周期数」で決まります。
波長が短い(高周波)ほど、
空間パルス長が短くなり、
軸方向分解能は向上します。
短いパルスほど、
前後に近い構造を識別できます。
横方向分解能
超音波ビームに対して
横に並んだ構造を区別する能力です。
これは主に、
・ビーム幅
・焦点(フォーカス)
によって決まります。
焦点が合っている深さでは、
ビームが最も細くなり、
横方向分解能が向上します。
焦点から外れると、
ビームが拡散し分解能は低下します。
時間分解能
動きをどれだけ滑らかに
捉えられるかを示す能力です。
主に、
・フレームレート
・走査線数
・観察深度
によって決まります。
パルス繰り返し周波数(PRF)は
フレームレートに影響しますが、
時間分解能そのものと同義ではありません。
心エコーなど
動きの速い臓器では特に重要です。
分解能と周波数の関係
一般に、
高周波
↓
短波長
↓
短い空間パルス長
↓
高い軸方向分解能
という関係があります。
ただし、高周波は減衰が大きいため、
深部描出には不利になります。
分解能と到達深度は
トレードオフの関係にあります。
臨床的な意味
① 小病変の検出能に直結する
分解能が低いと、
小さな腫瘤が周囲組織と区別できません。
乳腺や甲状腺では、
高周波プローブが使用される理由になります。
② 装置設定に影響する
フォーカス位置や周波数設定は、
分解能を意識して調整されます。
走査深度を浅く設定すると、
フレームレートが向上し
時間分解能が改善します。
目的に応じて
最適な条件を選択する必要があります。
③ 検査部位で使い分ける
・表在臓器 → 軸方向分解能優先
・腹部深部 → 到達深度優先
・心臓 → 時間分解能重視
検査目的によって
重視すべき分解能は異なります。
用語整理
・軸方向分解能=進行方向の識別能
・横方向分解能=ビーム幅依存
・時間分解能=動きの追従能力
方向ごとに決定因子が異なります。
まとめ
分解能は、
超音波画像の質を決定する重要な要素です。
・近接構造を区別できる能力
・軸方向・横方向・時間分解能がある
・高周波は軸方向分解能を高める
・到達深度とのトレードオフがある
超音波検査では、
どの分解能を優先すべきかを理解することが
適切なプローブ選択と設定調整につながります。










