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屈折とは
屈折(Refraction)とは、
音速の異なる2つの物質の境界を
超音波が斜めに通過する際に
進行方向が変化する現象です。
光の屈折と同様の原理で生じ、
超音波検査では位置ずれや
二重像などのアーチファクトの原因になります。
なぜ屈折が起こるのか
超音波の伝搬速度は、
組織ごとに異なります。
- 脂肪
- 筋肉
- 実質臓器
これらの音速が異なる境界を
斜めに横切ると、進行方向が変化します。
屈折が起こる条件は次の2つです。
- 音速差が存在する
- 境界に対して斜めに入射する
原理(しくみ)
超音波は、
音速の異なる媒体に入ると
進行方向を変えます。
- 音速が遅い組織から速い組織へ進む場合
- 音速が速い組織から遅い組織へ進む場合
いずれの場合も
境界で方向が変化します。
一方、装置は
超音波が直進して戻るという
前提で位置計算を行います。
そのため実際とは異なる位置に
構造物を表示し、位置ずれや二重像が生じます。
画像上の特徴
屈折によって
次の所見がみられます。
- 構造物が左右にずれて表示される
- 同一構造が二重に描出される
- 腫瘤の外側後方に無エコー域が出現する
特に円形や球状構造の
外縁部で生じやすい特徴があります。
代表的な屈折アーチファクト
腫瘤外側後方の陰影
次の条件で起こりやすくなります。
- 球状または円形の腫瘤
- 周囲組織との音速差がある
腫瘤の縁で屈折が生じ、
その後方にビームが届かない
領域が形成されます。
これは強い反射や吸収による
音響陰影とは成因が異なります。
出現しやすい条件
- 脂肪と筋肉の境界
- 球状や円形の構造物
- プローブを斜めに当てている場合
- 表在から深部へ走査している場合
鑑別・注意点
屈折は音速差と
斜入射によって生じます。
- 構造が横方向にずれる
- 外側後方に陰影が出現する
- 角度変更で消失しやすい
音響陰影は
強い反射や吸収が原因です。
- 後方が一様に暗くなる
- 条件を変えても残存しやすい
検査時の実践的対策
- プローブ角度を変えて確認する
- 縦走査と横走査で評価する
- 左右対称性を確認する
これにより、
屈折による虚像かどうかを判断できます。
まとめ
屈折(Refraction)とは、
音速の異なる組織境界を
斜めに通過した超音波が
進行方向を変える現象です。
- 位置ずれや二重像の原因となる
- 音響陰影とは異なる物理現象
- 角度変更で消失することが多い
屈折を理解することで、
虚像を見抜き、
正確な位置評価が可能になります。











