エコーができない臨床検査技師へ|向いていないと決める前に見直したい原因

公開: 更新: 約11分

「臨床検査技師なのにエコーができない」と感じても、すぐに向いていないと決める必要はありません。

エコーでは、解剖の理解、プローブ操作、画像調整、練習機会、指導環境など、さまざまな要素が関係します。

うまく描出できないときに大切なのは、「自分には向いていない」とまとめるのではなく、どこで迷っているのかを分けて確認することです。

この記事では、「臨床検査技師 エコーできない」と悩む方に向けて、見直したいポイントや練習の考え方、職場で学びにくいときの選択肢を紹介します。

「何度練習しても画像が安定しない」

「先輩のように臓器を描出できない」

「自分にはエコーが向いていないのでは」と感じることもあるのではないでしょうか。

エコーでは、患者さんの体格、臓器の位置、呼吸、プローブ角度、装置設定などによって画像の見え方が変わります。

そのため、同じようにプローブを当てたつもりでも、毎回まったく同じ画像になるとは限りません。

まずは「できる・できない」の二択ではなく、どこで止まっているのかを確認してみましょう。

エコーができないと感じたら、まず「つまずいている場所」を確認する

エコーがうまくいかないと感じたとき、最初に確認したいのは、自分がどの部分で迷っているのかです。

エコーでは、解剖、画像の見方、プローブ操作、装置設定など、複数の要素を組み合わせながら検査を進めます。

そのため、一つの部分が曖昧でも、全体が難しく感じることがあります。

解剖が曖昧だと、画像の現在地が分かりにくくなります

エコーでは、画面に映っている構造を解剖と結びつけながら確認します。

画像が出ていても、それがどの臓器のどの断面なのか整理できていなければ、次にどちらへプローブを動かすか迷うことがあります。

たとえば腹部エコーでは、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓、大血管などの位置関係を確認します。

心エコーでは、プローブの位置や向きによって見える断面が変わるため、画像とプローブ操作を結びつけて考えることが大切です。

「何が映っているか」だけでなく、「なぜそこに見えているのか」を確認してみましょう。

腹部エコーの解剖を整理したい方は、腹部エコーの解剖の覚え方を解説した記事も参考になります。

プローブ操作が安定しない場合は、動きを分けて考える

エコーは、手元の小さな動きによって画像が変化します。

プローブ操作には、

  • 押す
  • 傾ける
  • 回す
  • ずらす

など、いくつかの動きがあります。

感覚だけで大きく動かしていると、どの操作で画像が変わったのか分かりにくくなることがあります。

まずは一つの断面を確認しながら、どの方向へ動かしているのかを意識してみましょう。

プローブ操作の基本を見直したい方は、エコープローブの持ち方を解説した記事や、プローブ操作の基本を解説した記事もあわせて確認してみてください。

画像が見えにくいときは、装置設定も確認する

目的の構造が見えにくいとき、原因がプローブ操作だけとは限りません。

深度、ゲイン、フォーカス、周波数、TGCなどの設定によって、画像の見え方が変わります。

たとえば、深度を変えると画面上の表示範囲が変わり、ゲインを調整すると画像全体の明るさが変化します。

フォーカスについても、観察したい深さに合わせて確認します。

Bモード画像の基本を整理したい方は、エコーBモードの基礎を解説した記事も参考になります。

職場で学ぶ機会が少ないこともあります

職場によっては、指導者が忙しい、質問する時間が限られている、プローブを持つ機会が少ないといったことがあります。

そのような場合、自分がどこで迷っているのかを確認しにくいことがあります。

見学から学べることもありますが、実技については、自分でプローブを操作して確認する機会も必要です。

教育環境について考えたい方は、超音波検査の教育環境について解説した記事も参考になります。

エコーができないと感じたときに確認したいこと

  • 解剖と画像の位置関係を整理できているか
  • プローブをどの方向へ動かしているか意識できているか
  • 深度、ゲイン、フォーカスなどの基本設定を確認しているか
  • 実際にプローブを持つ機会があるか
  • 分からない操作を確認できる相手がいるか
  • 何を練習するのか決めてからプローブを持っているか

「向いていない」と決める前に、知識・手技・環境に分けて考える

エコーができないと感じたときは、「適性がない」と一つにまとめるのではなく、知識、手技、環境に分けて考えてみましょう。

原因を分けることで、次に何を確認すればよいのか整理しやすくなります。

知識は、解剖と画像を結びつけて確認する

エコーを学ぶときは、解剖学的な名称を覚えるだけでなく、実際の画像でどの構造がどこに映るのかを確認します。

腹部エコーであれば、肝静脈、門脈、胆のう、腎臓、大動脈、下大静脈などが位置関係を確認するときの目印になります。

心エコーでも、左室、右室、心房、弁などの位置関係を断面ごとに確認します。

超音波検査をこれから学び直したい方は、超音波検査の勉強を始める方向けの記事も参考になります。

手技は、動きを小さく分けて確認する

プローブ操作が苦手な場合は、「うまく動かす」と大きく考えるのではなく、一つひとつの動きを分けてみましょう。

たとえば、

  • 位置をずらしたのか
  • 角度を変えたのか
  • 回転したのか
  • 圧を変えたのか

を意識します。

操作を言葉で整理すると、自分が何をしているのか振り返りやすくなります。

環境の課題は、職場の中だけで解決しなくてもよい

職場にエコー経験者が少ない、指導者が忙しい、練習できる時間が限られている場合もあります。

その場合には、職場でできる学習と、外部で確認する内容を分ける方法もあります。

たとえば、職場では見学や症例の振り返りを行い、外部ではプローブ操作や基本断面を確認する、といった使い分けです。

外部研修が必ず必要というわけではありません。

現在の学習環境を確認したうえで、自分に必要な方法を考えてみましょう。

職場で学びにくい状況については、新人技師向けの超音波検査研修を解説した記事も参考になります。

向いていないと決める前の確認ポイント

  • 解剖の位置関係を画像上で確認できるか
  • プローブ操作を、傾ける・回す・ずらすなどに分けて考えられるか
  • 深度、ゲイン、フォーカスなどの基本を確認しているか
  • 実際にプローブを持つ時間があるか
  • うまくいかなかった場面を振り返っているか
  • 必要に応じて第三者に操作を見てもらえるか

練習するときは、基本から一つずつ確認する

エコーを練習するとき、最初から難しい症例や複数の課題を一度に扱う必要はありません。

まずは基本操作や基本断面など、現在確認したい内容を一つずつ整理してみましょう。

基本断面を繰り返し確認する

エコー初心者の場合は、まず正常像や基本断面を確認する方法があります。

腹部エコーであれば、肝臓、胆のう、腎臓、膵臓などを観察します。

心エコーであれば、左室長軸像、短軸像、心尖部四腔像などの基本断面を確認します。

一度描出できたら、プローブを離してもう一度同じ断面を出せるか試してみる方法もあります。

腹部エコーの練習方法を知りたい方は、腹部エコーの練習方法を解説した記事や、腹部エコーの練習について解説した記事も参考になります。

一回の練習テーマを絞る

解剖、操作、装置設定などを一度に全部確認しようとすると、どこで迷っているのか分かりにくくなることがあります。

たとえば、

  • 今日はプローブを大きく動かさないことを意識する
  • 今日は一つの基本断面を確認する
  • 今日は深度とフォーカスを確認する

というように、練習テーマを一つ決める方法があります。

長時間練習することだけを目標にせず、その日の確認事項を明確にしてみましょう。

うまくいかなかった場面を記録する

練習中に見えなかった場面があれば、「できなかった」で終わらせず、具体的に記録してみましょう。

たとえば、

  • どの臓器・断面が見えなかったか
  • どの位置から走査したか
  • どの操作で迷ったか
  • 次回何を確認するか

などです。

記録しておくと、次回の練習内容を決めやすくなります。

必要に応じてフィードバックを受ける

本や動画で知識を学ぶことはできますが、自分の手元の操作は一人では確認しにくい場合があります。

その場合には、職場の先輩や指導者、外部研修などで実際の操作を見てもらう方法があります。

ただし、フィードバックを受けたからといって、すぐに技術が安定するわけではありません。

確認した内容をその後の練習で試しながら、繰り返し振り返ることが大切です。

エコーができない臨床検査技師によくある疑問

臨床検査技師なのにエコーができないのは問題ですか?

臨床検査技師だからといって、すべての人が最初からエコーを担当できるわけではありません。

担当業務や教育環境、実技経験は人によって異なります。

エコーを担当する必要がある場合には、現在の経験を確認しながら必要な知識や実技を学んでいきましょう。

エコーに向いていない人はいますか?

今うまく描出できないことだけで、適性を決める必要はありません。

まずは、解剖、基本断面、プローブ操作、装置設定、練習環境などのうち、どこで迷っているのかを確認してみましょう。

職場でエコーを教えてもらえない場合はどうすればよいですか?

職場でできる学習と、外部で確認する内容を分けて考える方法があります。

職場では見学や症例の振り返りを行い、外部ではプローブ操作や基本断面を確認するなど、現在の環境に合わせて学ぶ方法を検討できます。

この記事の要点

  • エコーができないと感じる理由は一つではない
  • 解剖・操作・装置設定・練習環境を分けて確認する
  • 基本断面を一度出すだけでなく、再現できるか確認する
  • 一回の練習テーマを絞る
  • 見えなかった場面を記録し、次回の課題につなげる
  • 必要に応じて第三者からフィードバックを受ける

SASHIでは、エコー実技の現在地を確認できます

「自分のプローブ操作が合っているかわからない」

「いつも同じ断面で迷ってしまう」

「職場では十分に練習する時間がない」

そんな場合には、外部で実技を確認する方法もあります。

SASHI合同会社では、医療従事者向けにマンツーマンの超音波検査実技レッスンを行っています。

臨床経験のある講師とともに、受講者の現在の経験や課題を確認しながら、腹部、心臓、頸動脈、乳腺、甲状腺などの実技内容を調整します。

初心者の場合は、プローブの持ち方、基本操作、正常像、基本断面などから確認できます。

すでに経験がある場合には、苦手な断面や操作を中心に確認することもできます。

SASHIでは、「できない原因を必ず解決する」「短期間でできるようになる」といった結果を約束するのではなく、現在どこで迷っているのかを整理し、その後の練習につなげることを大切にしています。

レッスンを受講することで、技術の習得、一人での検査対応、転職や給与などの結果を保証するものではありません。

超音波検査の実技を自分のペースで確認したい方は、SASHIの個人向け超音波検査セミナーをご確認ください。

まとめ|「できない」を一つの問題にしない

エコーがうまくいかないと、自分には向いていないのではと感じることがあります。

そんなときは、

  • 解剖が整理できているか
  • プローブ操作で迷っていないか
  • 装置設定を確認できているか
  • 実際に練習する時間があるか
  • 質問やフィードバックを受けられる環境があるか

を一つずつ確認してみましょう。

「エコーができない」とまとめるのではなく、今どこで迷っているのかを見つけ、次に確認することを一つ決める。

その積み重ねが、実技を学び続けるうえで大切です。



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