E波

公開: 更新: 約3分

E波とは

E波(E wave)とは、心エコー検査において
拡張早期に左心房から左心室へ流入する血流を示す
ドプラ波形です。

主に僧帽弁流入血流(mitral inflow)を
パルスドプラで測定した際に観察され、
左室拡張機能評価の基本指標として用いられます。

E波が生じる仕組み

心周期では次の流れでE波が発生します。

  • 左室収縮が終了(収縮期終了)
  • 左室圧が低下
  • 僧帽弁が開放
  • 左心房から左心室へ血液が急速流入

この急速流入期(拡張早期)に生じる血流が
E波です。

ドプラ波形での位置

僧帽弁流入血流のスペクトラムドプラでは、
通常2つのピークが観察されます。

  • E波:拡張早期流入
  • A波:心房収縮による流入

E波は最初に現れる大きな波形です。

測定方法

  • 心尖部四腔断面(Apical 4 chamber view)
  • 僧帽弁尖部にサンプルボリュームを設定
  • PWドプラで測定

血流方向とビームがほぼ平行となるため、
角度補正は通常不要です。

E波から分かること

E波は主に次の要素を反映します。

  • 左室弛緩能
  • 左房−左室圧較差
  • 左室充満圧

つまり、左室拡張機能評価の中心的指標となります。

E波とA波の関係(E/A比)

拡張機能評価では、
E波単独ではなくE/A比が重要です。

状態E/A比の傾向
正常E > A
弛緩障害(初期)E < A
偽正常化E ≒ A
拘束型E ≫ A

加齢に伴いE波は低下する傾向があります。

E波が高くなる場合

  • 左房圧上昇
  • 拘束型拡張障害
  • 僧帽弁逆流(重症例)
  • 容量負荷状態

E波が低下する場合

  • 左室弛緩障害
  • 加齢変化
  • 心筋肥大
  • 虚血性心疾患

注意点

  • 心拍数の影響を受ける
  • 不整脈では評価困難
  • 単独評価は不可

必ず以下と併用して評価します。

  • A波
  • e′(僧帽弁輪速度)
  • E/e′比
  • 左房サイズ

まとめ

E波(E wave)とは、
拡張早期に左心房から左心室へ流入する血流を示す
ドプラ波形です。

  • 左室拡張機能評価の基本指標
  • A波と組み合わせて評価(E/A比)
  • 左室弛緩能と充満圧を反映

E波の理解は、
心エコーにおける拡張能評価の出発点となります。

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参考資料・根拠

    更新・訂正履歴

    執筆・編集・確認

    sashi

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