減衰とは
減衰とは、
超音波が体内を伝搬する過程で、
エネルギーが徐々に失われ、
信号が弱くなる現象を指します。
深部になるほど画像が暗くなるのは、
この減衰が主な原因です。
減衰は避けることのできない
物理現象であり、
画質や深部描出能を左右する
重要な要素です。
減衰が起こる理由
超音波が生体内を進むとき、
いくつかの要因によって
エネルギーが失われます。
吸収では、
超音波エネルギーが
組織内で熱に変換されます。
これは減衰の最大の要因です。
散乱では、
微細構造によって
超音波がさまざまな方向へ散ります。
反射では、
境界で一部が跳ね返され、
前方へ進まなくなります。
これらが組み合わさることで、
減衰が生じます。
減衰と深さの関係
超音波の伝搬距離が長くなるほど、
減衰は大きくなります。
深部では信号が弱くなり、
画像は暗くなります。
その結果、深部構造の描出は
より困難になります。
周波数との関係
減衰の程度は、
周波数に比例します。
高周波では、
減衰が大きくなります。
分解能は高くなりますが、
深部まで届きにくくなります。
低周波では、
減衰が小さくなります。
深部まで届きやすくなりますが、
分解能は低下します。
この関係が、
プローブ選択の基本原理です。
画像上の影響
減衰が大きい場合、
深部が暗くなります。
後方エコー減弱が生じます。
音響陰影が形成されることがあります。
深部構造が描出されない場合もあります。
臨床での具体例
肥満例では、
皮下脂肪による減衰が大きく、
深部臓器が不鮮明になります。
骨や空気では、
強い反射や吸収が起こり、
その後方は描出できません。
囊胞では、
内部での減衰が少ないため、
後方エコー増強が出現します。
減衰への対処法
減衰を完全に防ぐことはできませんが、
軽減する方法はあります。
周波数を下げることで、
深部描出が改善します。
TGCを用いて、
深部のゲインを補正します。
ハーモニックイメージングを
活用する方法もあります。
プローブ角度を調整することも、
有効な場合があります。
減衰とアーチファクト
減衰の程度の差によって、
特徴的な所見が生じます。
- 後方エコー増強
- 後方エコー減弱
これらは、
病変の性状を推定する際に
重要な情報となります。
まとめ
減衰とは、
超音波が体内を進むにつれて
弱くなる現象です。
深部ほど影響が大きく、
周波数が高いほど
強くなります。
画質や深部描出能を
大きく左右する要素です。
減衰を理解することで、
適切な設定、所見の解釈が可能になります。












