屈折(Refraction)

公開: 更新: 約2分

屈折とは

屈折(Refraction)とは、
音速の異なる2つの物質の境界を
超音波が斜めに通過する際に
進行方向が変化する現象です。

光の屈折と同様の原理で生じ、
超音波検査では位置ずれや
二重像などのアーチファクトの原因になります。

なぜ屈折が起こるのか

超音波の伝搬速度は、
組織ごとに異なります。

  • 脂肪
  • 筋肉
  • 実質臓器

これらの音速が異なる境界を
斜めに横切ると、進行方向が変化します。

屈折が起こる条件は次の2つです。

  • 音速差が存在する
  • 境界に対して斜めに入射する

原理(しくみ)

超音波は、
音速の異なる媒体に入ると
進行方向を変えます。

  • 音速が遅い組織から速い組織へ進む場合
  • 音速が速い組織から遅い組織へ進む場合

いずれの場合も
境界で方向が変化します。

一方、装置は
超音波が直進して戻るという
前提で位置計算を行います。

そのため実際とは異なる位置に
構造物を表示し、位置ずれや二重像が生じます。

画像上の特徴

屈折によって
次の所見がみられます。

  • 構造物が左右にずれて表示される
  • 同一構造が二重に描出される
  • 腫瘤の外側後方に無エコー域が出現する

特に円形や球状構造の
外縁部で生じやすい特徴があります。

代表的な屈折アーチファクト

腫瘤外側後方の陰影

次の条件で起こりやすくなります。

  • 球状または円形の腫瘤
  • 周囲組織との音速差がある

腫瘤の縁で屈折が生じ、
その後方にビームが届かない
領域が形成されます。

これは強い反射や吸収による
音響陰影とは成因が異なります。

出現しやすい条件

  • 脂肪と筋肉の境界
  • 球状や円形の構造物
  • プローブを斜めに当てている場合
  • 表在から深部へ走査している場合

鑑別・注意点

屈折は音速差と
斜入射によって生じます。

  • 構造が横方向にずれる
  • 外側後方に陰影が出現する
  • 角度変更で消失しやすい

音響陰影は
強い反射や吸収が原因です。

  • 後方が一様に暗くなる
  • 条件を変えても残存しやすい

検査時の実践的対策

  • プローブ角度を変えて確認する
  • 縦走査と横走査で評価する
  • 左右対称性を確認する

これにより、
屈折による虚像かどうかを判断できます。

まとめ

屈折(Refraction)とは、
音速の異なる組織境界を
斜めに通過した超音波が
進行方向を変える現象です。

  • 位置ずれや二重像の原因となる
  • 音響陰影とは異なる物理現象
  • 角度変更で消失することが多い

屈折を理解することで、
虚像を見抜き、
正確な位置評価が可能になります。

参考資料・根拠

    更新・訂正履歴

    執筆・編集・確認

    sashi

    執筆

    sashi

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