STCとは
STCとは、
超音波検査において
画面の「深さごとの明るさ」を調整するための基本機能です。
超音波は、
体内を進むにつれて徐々に弱くなります(減衰)。
STCはこの減衰を補正し、
浅い部分から深い部分まで、
できるだけ均一な明るさで表示するために用いられます。
TGCとの関係
STC(Sensitivity Time Control)と
TGC(Time Gain Compensation)は、
同じ機能を指す別名称です。
メーカーや装置によって呼び方が異なりますが、
どちらも
「時間(=深さ)に応じて受信感度を変える」
という仕組みです。
操作は、
装置パネル上に並んだ
複数のスライダーで行います。
原理(しくみ)
超音波は、
体表近くでは強い反射信号が得られますが、
深部へ進むほど減衰し、
反射信号は弱くなります。
そのままでは、
浅部は明るく、
深部は暗い画像になってしまいます。
STCは、
深さごとに受信感度を変えることで、
この明るさの差を補正します。
操作イメージ
STCは、
装置画面下部などに配置された
スライダー(通常8~12本)で操作します。
一般的な対応関係は以下の通りです。
上部スライダー(ニアゲイン):
体表~浅部(およそ1~3cm)の明るさを調整
中央スライダー:
中間深度(およそ3~8cm)の明るさを調整
下部スライダー(ファーゲイン):
深部(8cm以深)の明るさを調整
例えば、
深部スライダーを上げると、
肝臓や腎臓の奥側が
局所的に明るく表示されます。
「スライダーを動かした深さ帯だけが明るく(または暗く)変化する」
という感覚を意識すると理解しやすくなります。
ゲインとの違い
STCは、
ゲインと混同されやすい機能です。
ゲインとSTCの違いは以下の通りです。
ゲイン:
画面全体の明るさを一律に調整
STC:
指定した深さ帯のみの明るさを調整
用途としては、
ゲインが全体のコントラスト調整、
STCが深部減衰の補正、
という役割分担になります。
臨床での使い方
① まず全体ゲインで、
画面全体の明るさを整えます。
② 次にSTCを用いて、
肝臓などの実質臓器が、
上から下までほぼ均一な灰色調になるよう調整します。
③ 深部が暗い場合:
下部スライダーを上げる
④ 表層ノイズが多い場合:
上部スライダーを下げる
この順序で操作すると、
調整が過剰になりにくくなります。
注意点
STCを上げすぎると、
ノイズが増加し、
偽陽性エコーが出現しやすくなります。
逆に下げすぎると、
深部病変の見逃しにつながる可能性があります。
調整の基準としては、
正常な実質臓器(例:肝臓)を「基準画像」として、
自然な階調になるよう微調整することが重要です。
まとめ
STC(TGC)は、
深さごとの明るさを整えるための調整機能です。
ゲインで全体を整え、
STCで深さ別に補正することで、
浅部から深部まで
診断しやすい画像を作ることができます。











