Mモードとは
Mモードとは、
超音波検査における画像表示方式の一つで、
組織や臓器の「動き(Motion)」を時間軸で詳細に記録・表示するモードです。
Bモード画像上で選択した
1本の直線(カーソル)に沿ったエコー反射を、
時間の経過とともに連続的に描画することで、
心臓弁や心筋壁などの微細な動きを
波形として捉えます。
原理(しくみ)
Mモードでは、
Bモードで決めた1方向の超音波ビームを固定し、
同じ線上の反射エコーを高速で繰り返し取得します。
表示の仕組みは以下の通りです。
- 縦軸:深さ(距離)
- 横軸:時間
- 輝度:反射エコーの強さ
この構成により、
心拍や呼吸に同期した構造物の動きを、
非常に高い時間分解能で記録できます。
特徴(メリット)
Mモードには、以下のような特徴があります。
- 時間分解能が非常に高い
(1秒間に数千回のサンプリングが可能) - 心臓弁の開閉など、
高速な運動を正確に追跡できる - 左室径、壁厚、弁開大幅などを
数値として定量評価しやすい - 紙面記録やストリップチャート出力が容易で、
経時的な変化の比較に適している - 現在はBモード画像上から
カーソルを引くだけで切り替えられ、
2D画像との併用が容易
検査での使われ方
Mモードは、
主に心エコー検査で使用されます。
評価対象の例としては、
- 僧帽弁・大動脈弁の開閉運動
- 左室壁や心室中隔の収縮・拡張様式
があります。
正常例では、
僧帽弁前尖の規則的な「M字」波形や、
左室後壁の安定した動きが確認されます。
異常例では、
駆出率(EF)の低下や、
弁狭窄・心筋症に特徴的な波形変化を
捉えることができます。
注意点と限界
Mモードには、
以下のような制約があります。
- 1本のビーム線上の情報のみであるため、
立体的な構造把握には
Bモードとの併用が必須 - ビームが斜めに入射すると、
距離や動きの評価に誤差が生じやすい - 心臓の位置関係が複雑な場合、
正確なカーソル設定に
ある程度の経験が必要
現在では、
リアルタイム3Dエコーなどの普及により
補助的な位置づけになる場面もありますが、
定量評価におけるゴールドスタンダードとして
今なお重要な役割を担っています。
まとめ
Mモードは、
動きを時間軸で高精度に捉えるための超音波モードです。
Bモードと併用することで、
形態と動態の両面から評価が可能となり、
心エコー検査の基礎として
初心者教育や標準評価に欠かせないモードです。











