「求人を出しても応募ゼロ」
「面接に来ても断られてしまう」
「ようやく採用できてもすぐ辞めてしまう」
こんな状況が繰り返されて、本当に疲れていると思います。
しかし、表面的な「応募が来ない」「採用できない」と
嘆くだけでは、病院の人材不足の本質的な解決につながりません。
実は、臨床検査技師の不足や他職種の人材不足の裏には、
「職場の内側にある構造的な原因」が潜んでいます。
今回は、求人失敗の本当の理由に迫り、
現場で今すぐできる改善策をご提案します。
問題100%の構造:なぜ“応募ゼロ”に?
求人を出しても反応がない理由は、単に求人の質だけではありません。
むしろ多くの病院で共通する原因は以下の3点です:
- 魅力が伝わっていない
- 教育・成長の仕組みが欠如している
- 職場の雰囲気や環境に不安がある
これらはすべて、求人票や面接の前段階で起きています。
要するに、「求人に釣られて面接に来たとしても、
職場で“本当に得られるもの”が見えない」という構造的な問題です。
落とし穴①:求人票だけで勝負している
求人票には「給料・時間・福利厚生」を書くだけで完結してしまい、
働く「環境」や「成長できること」が伝わっていないケースが多いです。
例えば:
- “あなたに覚えてほしいスキル”
- “どんな働き方をしてほしいか”
- “将来どこまで成長できるか”
これらを言語化しないと、
応募者は「この職場で自分が活躍できるのか?」が見えず、
応募しにくくなってしまいます。
落とし穴②:育成・評価の仕組みがない
人が集まりづらい病院には、共通してこういう特徴があります:
- 教育担当が不明確
- マニュアルが未整備で属人化
- 評価や昇給基準が不明瞭
とくに臨床検査技師の不足が深刻な場合でも、
育成プランや評価制度が整っていないと、応募されにくい傾向があります。
逆にいえば、
「入ったらここまで教えます」
「半年後には〇〇ができるようになります」
という安心材料がある職場は、応募率もぐっと高まるのです。
落とし穴③:職場の雰囲気が見えない
求人票やHP、説明会では伝えきれないのが「職場の日常」です。
- スタッフ同士のコミュニケーション
- 教育の現場風景
- 上司との関係性
こういう「職場の温度」は、
応募者が実際に働くかどうかの判断材料になります。
「こんな雰囲気か」「先輩と合いそうか」
これが見えないと、応募の前に離脱してしまう可能性が高いです。
解決策①:求人に“職場ストーリー”を載せる
求人票や採用ページに、以下のような要素を加えてみてください:
- スタッフのインタビュー(声・写真付き)
- 教育の流れ(Illustrated training pathway)
- 勤務スケジュールや1日のタイムライン
こうすることで、「働く自分」がイメージしやすくなります。
結果として、応募率と面接通過率が上がります。
解決策②:育成プランとスキルマップを明示する
育成・評価の透明化は、求人を打つ前からの準備です。
たとえば、臨床検査技師なら:
- 1ヶ月で基礎検体検査
- 3ヶ月で採血+尿沈渣まで習得
- 6ヶ月でエコーや心電図まで視野に
こうしたステップを公開することで、
応募者は「入ってからどうなるか」が見え、安心して応募できます。
解決策③:日常を可視化する採用コンテンツ
求人前の「職場の見える化」は、有効な集客手段です。
- スタッフの1日を追う動画
- 教育風景や試験の様子を写真で紹介
- スタッフ同士の対談記事
こうしたコンテンツを公式HPやSNSで提供することで、
応募前から「この職場、良さそうだな」と
応募を検討してもらうきっかけをつくることができます。
まとめ:人手不足は“構造”を直さないと解決しない
「求人出しても応募ゼロ」ではなく、
「応募0になって当然の構造になっている」かもしれません。
- 魅力が伝わらない求人にしていないか?
- 育成や評価の仕組みがないまま募集していないか?
- 職場の日常が見えず、不安を煽っていないか?
この3点を見直すことで、
病院の人材不足を解決する突破口になります。
応募してくれる人が増えて、
定着率も上がる――
そんな好循環は、構造を変えれば作れます。
まずは“どう伝えるか”から見直してみませんか?
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