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「クリニック開業 必要なもの」に迷ったら、人材を真っ先に考えてみて
「クリニック開業で必要なものって、
医療機器?内装?それとも広告かな?」
そんなふうに考えていたあなたへ。
もちろん、どれも大事です。
でも実際に経営が始まってみると、
多くの開業医が一番悩むのは“人”なんです。
私もこれまで多くの開業支援に関わってきましたが、
「もっと慎重に採用すればよかった」
「スタッフが合わず、開業早々つらい」
という声を本当にたくさん聞いてきました。
クリニック開業に必要なものの中でも、
人材選びは売上にも信頼にも直結する最重要項目です。
この記事では、開業時に信頼できるスタッフを見極めるポイントを、
マーケティングと組織づくりの視点からお伝えしていきます。
医療スキルよりも「価値観の一致」が大切
信頼できるスタッフを採用したいと考えたとき、
まず気になるのが「スキル」や「経験年数」ではないでしょうか?
たしかに、即戦力は魅力的です。
でも、実はクリニック開業の際に必要なものとして大事なのは、
あなたの理念や想いに共感できる人材かどうかなんです。
たとえば、あなたが患者さんとの対話を大事にしていても、
スピード重視の看護師さんだと、診療方針にズレが生じます。
面接では、履歴書の内容よりも、
「あなたはこのクリニックで何を大事にしたいですか?」
「患者さんにどんな対応をしたいですか?」
という問いに対する“言葉の温度感”を見てみてください。
「一緒に働いていて気持ちがいいか」を想像する
クリニック開業で揃える段階で、
見落としがちなのが「雰囲気の相性」です。
例えば、面接では丁寧でも、実際の現場では態度が急変する人もいます。
そのためには、できる限り事前に見極める工夫が必要です。
おすすめは、1日体験勤務(有給)や試用期間を設けること。
実際の患者対応や他スタッフとの連携を観察することで、
「この人と半年後も気持ちよく仕事できそうか?」が見えてきます。
もしあなた自身が「この人に受付を任せたい」と思えないなら、
その直感は案外当たっています。
採用時には“理念とルール”をセットで伝える
実はもうひとつ欠かせないのが院内ルールと理念の明文化です。
スタッフは「あなたの頭の中の当たり前」を知りません。
・電話対応はどうするのか
・患者さんのクレームにはどう答えるのか
・予約が重なった時の判断基準は?
これらが不明確だと、現場が混乱し、
不満やミスが連鎖的に起こってしまいます。
そこで、開業前のタイミングで
簡単な「スタッフマニュアル」を作っておくことをおすすめします。
難しい言葉でなくて構いません。
「こうしてくれると嬉しい」「この対応は避けてほしい」と、
あなたの感覚で伝えてみてください。
最初の1人目は“全員に影響する”キーパーソン
開業時に雇うスタッフは、多くの場合2〜3名程度。
その中でも、最初に採用する1人目の存在が今後の空気を決めると言っても過言ではありません。
この1人目が誠実で前向きな人なら、
その後に入るスタッフにも良い影響が波及します。
逆に、最初から空気の悪いスタッフを入れてしまうと、
のちに優秀な人材が応募しても、離れてしまう可能性があります。
「最初の人を妥協しない」ことは、未来への投資です。
応募が来ないときの対策|求人媒体と内容を見直そう
「そもそも応募が少なくて選べない…」
そんな悩みもありますよね。
求人が集まらない原因には、
・媒体が合っていない
・募集文が事務的すぎる
・診療時間や給与が魅力的でない
などがあります。
特に募集文では、あなたの言葉で“想い”を語ることが大切です。
「一緒に地域に貢献したい」
「患者さんと向き合う医療を実現したい」
こうした想いに共感した人材が集まると、
スキルよりも長く支えてくれるスタッフが見つかります。
「クリニック開業で必要なもの」とは“共に進める人”だった
ここまで、クリニック開業に必要なものとして、
「人材=信頼できるスタッフ」についてお話ししてきました。
まとめると、見極めのポイントは以下の通りです。
- 医療スキルよりも価値観の一致を重視する
- 体験勤務や試用期間で空気感を確認する
- 院内ルールや理念は言葉にして共有する
- 最初の1人を妥協しない
- 求人には“あなたらしさ”を込める
設備や立地はお金で買えても、
スタッフとの信頼関係は“対話と時間”でしか築けません。
あなたの理想とするクリニックには、
あなたの想いに共鳴してくれる人が必要です。 どうか、 “信頼できる人材”を大切に選んでください。
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